人気ブログランキング | 話題のタグを見る
漫画家としてお恥ずかしいことですが、私の描く漫画の絵柄には一貫性がありません。

ドラマチックな少女漫画にはそれ風に。
原作者付きれあればその作品の内容によって絵柄を変えます。
経済学者の本のイラストであれば、またそれ用のタッチに変えます。
ギャグショート漫画であれば、もちろん登場人物は2頭身ないし3頭身です。
(まあ、それぞれ自覚はなくてもちょっとは個性が露出してはいるんでしょうけど)

毎度このような試行錯誤のようなことをしていてはいけないと思うのですが、どうもむかしっから模写だの肖像画だの描いてばかりいたせいで、独自性を生み出す能力が欠けてんのかもしれません。

私のギャグ漫画を読んだ方が「どれ、もっとこの人の漫画読んでみるか」と思って下さって、うっかり前に取り上げた内館牧子さん原作のドロドロ漫画「有名人」や、ハーレクインロマンス(本出したことあり)などを購入された場合のことを思うと、ちょっと焦ります。

でも考えてみたら、漫画だけじゃなくてカラオケのナンバーも一貫性ないし。
(ハクション大魔王、サラ・ヴォーン、山下達郎、ちあきなおみ、シンディ・ローパー、越路吹雪、フランク・シナトラ、堀ちえみ等を歌います)

昔読んでた漫画も一貫性ないし。
(小学校のとき大好きだった漫画:がきデカ、マカロニほうれん荘など秋田書店モノ全て、萩尾望都、竹宮恵子、梅図かずお、土田よしこ、一条ゆかり、つのだじろう等を愛読してました)

私の漫画について その2_a0087957_3211223.jpg


この一貫性のなさ、スタイルのなさが自分的には心地よいので、まあ別にこのままでもいいんですけどね・・・

(写真は「モーレツ!イタリア家族」)
# by dersuebeppi | 2006-09-27 03:23

興奮をもたらした小包

さきほど届きました。
待ちに待っていた小包が。

私も参加させていただいた同人誌「赤い牙」6号の詰まった小包が・・・・
(震えています)

す、すばらしいっ!!すばらしすぎっ!!!
こんな凄い作家さんたちと一緒に載せていただいて猛烈興奮!!!
(あ、ご興味のある方はこちらで注文していただけるみたいです:http://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0010/10/94/040010109497.html)

自分の漫画そっちのけで皆さんの作品を薄笑みを浮かべて読みまくるわたくし。
興奮して血の巡りがへんになってる心地を味わいつつ(こういう生生しい感覚は歳をとらないと把握できないと思われる)

し、しかもなんだか旨げなものまでどっさりと入ってるじゃないですか・・・・
しかも空間を埋めるために詰めてある新聞も面白そうじゃないですか・・・
(すべて皺を伸ばしました)
Mさんが連載されてる雑誌まで・・・

おまけに暖かいお手紙と一緒になんだか懐かしい写真まで入れていただいて(何年前だ、これ?ただただ楽しい一夜だったことはずっと覚えとります。朝まで新宿でカラオケオールナイトしましたっけ)。
ああ、今度東京行ったら必ずまた朝までカラオケしたいわあ!
そのときは必ずゴールドフィンガー歌うよ!

もう、ほんとにありがとうございますMさんSさん。

興奮をもたらした小包_a0087957_435648.jpg
「赤い牙6」の私の漫画「VICTORIA」


興奮をもたらした小包_a0087957_435251.jpg
小包と新聞を広げたところ


興奮をもたらした小包_a0087957_2161374.jpg
懐かしいお宝写真(皆さんに会いたい・・・)
# by dersuebeppi | 2006-09-22 21:07
私が漫画を描くようになった経緯です。

私はかつてフィレンツェのアカデミアという美術学校で油絵を専攻しておりました。
ですが、オリジナルな作品よりも数多く手がけたのは模写。
そしてその模写をやり続けていくうちに実物に使われたのと同じ顔料を摘出したくなり、やがて興味の方向は美術史へ転換。そしてそれに便乗して古い絵の修復。
アルバイトとしては、故人の肖像描きなんてのもやりました。
亡くなってホヤホヤのじい様の顔を描かせられたこともありましたっけ。

しかし、そのどれをとっても安定した収入源にははらず、アパートの電気は切られ、ガスも止められ、アンデルセンのお話にでも出てきそうな過酷でひもじい日々が続くようになりました。
そんな私に見かねたアカデミア時代の友人(ハイグレードなオタク)に薦められ、漫画を描くようになったのでした。

漫画、そういえばむかしキャンディキャンディとか読んでたよなあ・・・と少女時代の漫画の熱意を思い起こし、いろいろ描いてみることにしました。とはいえ、私にとってその当時漫画を描くのに参考できた唯一の作家が「つげ義春」(唯一持っていた漫画本)。しかも投稿作品は新聞紙にくるんで発送。
投稿先は今はもうありませんが講談社から発行されていた「Mimi」という少女漫画。
「なんだ、これ」というのが、初めて私の作品を目にした当時の担当のご感想だったようです。

そしてデビューして数年後に単行本(内館牧子原作)「有名人」を出していただきました。
画家が主人公の原作なので、私にやってみないかということになったみたいです。

私の漫画について その1_a0087957_432950.jpg

原作を読んだ時は、想像を絶するストーリー展開に腰が抜けそうになりました。これを漫画にせよと!? という思いを必死で抑制して描きつづけた作品です。ちなみに主人公は有名作家で、だけど売れなくなってレズになってアル中になって、最後に復帰します。
# by dersuebeppi | 2006-09-21 23:01

お姑様の運転姿

単行本に載せる写真のひとつです。
右手に食べかけアイスのコーン。
左手に携帯電話。
彼女の運転する助手席に座る私はいつも決死の思いを強いられます。

漫画では、いかにも「イタリアのおっかさん」という様子で描かれている姑ですが、実際はこんなです。痩せて、メガネも掛けていて知的な外観です。

でも彼女の人格を私の脳内フィルターで漉して絵にすると、漫画のような登場人物になるわけです。

中身は漫画のまんまです。
お姑様の運転姿_a0087957_4473784.jpg


9月の最初にイタリア語をお教えしていたお嬢さんが日本から2日間遊びにいらしたときに撮っていただいた家族ショットも添えておきます。
お姑様の運転姿_a0087957_4481818.jpg


お父さんと夫に関しては漫画も実態もあんまり変わりないです。
# by dersuebeppi | 2006-09-21 18:28

最近の仕事について

イタリア実家における50日間ワーキングホリデーの影響で、リスボンの自宅に帰ってきてもなかなか仕事起動モードにならず、「まずい、そろそろやらないと!!」という焦りを呪文のように頭の中で繰り返し続けるばかりの一週間を過ごしてしまいました。

私の中では、ハードデイズで失われたバケーション気分を、一日でも多く感じたかったというのがあったのかもしれません。
でももう、いいかげん、身を引き締めて仕事モードにならないといけません。

というわけで、最近の仕事。

10月13日に発売される単行本「モーレツ!イタリア家族」のおまけページにあたる、旅行会話用イタリア語の最終チェック。
おなじく、ここに載せるイタリア家族の生写真15枚分ののセレクトとコメント製作。
でもって、本屋さんで宣伝していただくための手書きポップ製作。

11月8日にお世話になっているKISS編集部より新雑誌「Beth」が発行されますが、ここで連載するコミックエッセー「それではさっそくボナペディート!」の考案、ネーム、レシピの製作。
でもって、おなじくこちらで小説を連載をされることになっていらっしゃる作家さんの作品用挿絵。

そしてまあ、それ以外の漫画の考案、ネーム製作。

なんだ、書き出してみるとそんなに大変じゃないじゃないですか。
でも忘れてはならないのは、ここが日本ではなくポルトガルだということです。つまり、こちらで仕上げた原稿を締め切り日以内に届かせるには、こちらからの国際郵便配達に要する時間、5日~一週間ってのを念頭に置かねばならんのです。

下手すると行方不明になったりする場合もありますし(まだ経験してませんが)。

そんなわけで、本腰入れて頑張ろうと思います。
# by dersuebeppi | 2006-09-21 00:43

漫画家ヤマザキマリのブログ。連絡先等はプロフィール欄をご覧下さい


by Thermari
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30