古代ローマ皇帝ハドリアヌスの別荘跡地をお邪魔する
2008年 09月 12日

今回を逃したらまたいつチャンスがあるか分からない、夫の実家に滞在中そう思い立って急遽ローマとその近郊2泊3日の旅に行ってきたのですが、今回のテーマは春休みに訪れた南部スペインのイタリカという、古代ローマ五大賢帝のひとりハドリアヌスの生まれ故郷を発端とする、彼の人生の道筋を更に辿ること。
場所はローマから車で20分ほど離れた場所にあるTivoliという小地方都市の近郊にあります。
気温35度の炎天下、北イタリアのバッサーノから車を5時間半かっとばして、そのままの足で別荘跡地へ。
ここはハドリアヌス帝が旅で魅了された風景を再現しようとして作ったのがこの別荘ということなのですが、やはりそれまでの既存の古代ローマ建築のステレオタイプなコンセプトからは大きく違いが見られる、独創的皇帝の嗜好があちらこちらに伺えて、たとえ熱射病になりそうなリスクを背負いながらであっても見ていてわくわくします。
暑くて疲れてキレ気味になっていた息子も、私と夫の興奮気味な様子を見てて完全にあきらめたのか、途中からはもうすっかり黙って後を付いて歩いてきました。

まあ、何に一番驚いたかっていうと、別荘だって聞いてたからある程度の広さのお屋敷跡地を想像してたのですが、ここはもうひとつの立派な都市ですね。
こきたない際限模型があったのですが、これを見て頂いただけでも雰囲気がお分かりになるのでは。

あと、ここは偏屈ハドリアヌスがひとりきりになりたい時のために作った、自分用の空間なんだそうですが(小さな住居空間)、水に囲まれています。自分がそこへ渡るときだけ橋を渡すのだそうです。
この別荘がいかにゴージャスをきわめていたのものなのかは、未だにあちらこちらに見られる床のモザイクやタイルや大理石だけからでも十分伺いしれます・・・・1800年以上も前のものだとは思いがたいデザインです。



ハドリアヌスは風呂好き皇帝としても有名でしたが、この敷地内にも3つの浴場がこざいました。

っていうか、このスケールのでかさ・・・これ全体がひとつの浴場。

でもって、今も剥がれずに残っていた風呂の壁や天井を覆っていた漆喰装飾。なにこれ・・・
これを再現するとハリウッドスターのお屋敷も顔負けな浴場になることでしょう。

暑さで立ちくらみを感じながらも、息子の着ている古代ローマに対して劇的にミスマッチな「映画20世紀少年、8月30日、終わりが始まる!」の背中のロゴを視界の端のかすめつつ、精神力だけを頼りに進んでゆきます。

するとやがて美しい彫像(とくに男性のね☆)が配置されたこのステキな池に到達します。
これはエジプトのナイルを想定したものらしいです。ナイル川といえば、ハドリアヌスはここで大事な愛人であるギリシャ青年のアンティノウスを失っているのですね。彼にとっては忘れがたい場所のひとつでもあるわけです。

この池を見ながらハドリアヌスは晩餐をしていたのだそうですが、皆さんもご存知のとおり、ローマ人ってのは寝そべって食事をとりますね? なんと石でつくられたその寝そべりベッドがのこっているざます。半円形になっていて、中心にハドリアヌス、そして位のグレードによってどんどん下のほうまでお客やらなにやらがずらーっとここに横たわり、目の前に広がる美しい景観を見ながらごはんをいただいていたんざます。
(後ろの小部屋で食べたものを鳥の羽で喉の奥を刺激して吐き出し、そしてまたじゃんじゃんご飯をいただくという、食=食欲、ではなく食=味覚な食べ方も有名ですね)

すごいですね・・・

ハドリアヌスからはちょうどこんな景観が見えていたのですね・・・(手前のは天井の塊が落ちたものなので、これは無かったってことで)

当時の道路も残っていたざます。
そんなわけで35度の炎天下の中、熱中症にもならずにホテルへ無事到達した私たちですが、その後は全員死んだように身動きできなくなったのでありました。
by dersuebeppi
| 2008-09-12 06:41

