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ポルトガルを行くさとなお氏 その2

昨日の夕方、宿泊先であるBel monteのポウサーダに到達した、さとなお氏から電話。
何よりもまず奥様の状況をうかがうと、

「あ、正露丸も飲んだし、今平気みたいっすね」

ほっと胸を撫で下ろすが、さとなお氏、快活な笑い声と共に続けた。

「それがね、実はあの後、接触事故がありましてねえ、えへへへ」

えへへへ!? 

「しかも娘のデジカメも無くなっちゃって」

はア!?

「で、散々道に迷ってやっとさっきここに着いたんです。いやあ、いいとこですよお~、ここ!!」

・・・・

詳細はそのうち氏の方からHP上でご説明があるでしょうけど、とにかく確実なのは、ぱっと想像してみたところ起こりうる全てトラブルが将棋倒しのようにこの3人家族に覆いかぶさってきたということであります。

優子夫人の腹痛も、駆け込んだレストランの迅速な対応で(優子夫人が「ト、トイレ・・・」とうなって入り口に入ったとたん、店の人がそれ以上のことは何も聞かずトイレの鍵を投げてよこしてきたんだそう)、一応解決。

その後さとなお氏の借りていた車とどこぞのBMWが接触事故。電話での会話の記憶が曖昧なんですが、どうも相手側のサイドミラーが外れたそうだ。

緊急停車したBMWからはグラサンをかけた若い男が出てきて、さとなお氏の焦りが最高ピークに達するも、よく見るとなんだかその男はへらへら笑っている。

こ、こんなヤバイ事態でにたにた笑っているなんて・・・・

「おんどりゃテメェ、よっくもオレの愛車に傷付けてくれやがったなあ」
とか、
「オレ様の車に接触するなんて、おう、大した勇気じゃねえか、え!?」

・・・等とさとなお氏の想像力、どんどん膨張。

すると、後ろから走ってきていた車が、接触した際に落ちたBMWの部品(ミラー?)を「おい、おめ、これそこさ落ちてただべ」と持ってきてくれて、BMWのグラサン男、それを受け取るやいなや自分の車の接触部分にあてがってみる。

かち、っとはまったらしい。

その瞬間、張り詰めていた辺りの空気が一気に緩みだした。

若い男はそれを見納めるなり、くるりとさとなお氏を振り返り、「オッケー☆!!」と満面の笑みでオッケーサインを送ってきたそうである。
しかも本当に嬉しそうに。

そしてそのままBMWは何事も無かったかのように、その場を立ち去って行ったのでありました。

めでたしめでたし。

・・・と、まあ、私がさとなお氏との電話で把握できたのはざっとこんな感じの内容でした。


「いやあ、やっぱりポルトガルはのどかだなあ!ふつうじゃああはいかないでしょ!」とさとなお氏の声が清々しい。これだけトラブルテンコ盛りの1日を過ごしてきてそうくるか。懐のでかさを感じさせてくれる。

「でも、響子ちゃんのカメラがなくなっちゃったの(カフェのテーブルに置き忘れてしまったそう。戻った時には姿は無かった)・・・あんなに一生懸命写真取ってたのにかわいそう~!」

「いや、それがその直後に優子の腹痛、そんでもってその直後にBMWと接触事故、でもってその後に道を間違えたりして、もう自分のカメラの事なんて考えてる場合じゃなかったのよ、彼女!」

そ、そりゃあそうだな。

しかし響子ちゃん、たった1日だけでこんなしっちゃかめっちゃかな体験を味わっちゃったら、そらもう、今後何が起ころうと驚かない冷静な判断力が身についていくでありましょう!

自分も14で自ら波乱万丈一人旅をやったことあるけど、結構この時期に体験するいろんなトラブルってそれからの人生の土台的要素になるんですよね。
自分の目の前のあたふた大人二人を見つめる、彼女のクールな表情が頭に浮かびます。間違えなく、小さいことでくよくよ悩むような器の狭い女にだけはならんでしょうな。

とりあえず素晴らしい環境のポウサーダに向かいいれられて、すっきり厄落としをした爽快な夜を家族でお過ごしになられたでありましょう。


今日は何も起こりませんように・・・
by dersuebeppi | 2007-03-27 18:04

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