プリニウスの伝言
2017年 06月 13日
NHKのEテレで放送されている語学講座「旅するイタリア語」
前回は“ヤマザキマリの独断美術館”と称してフィレンツェのルネッサンス絵画や絵師達等についての紹介を致しましたが、10月スタートの次期は“プリニウスの伝言”というテーマで、古代ローマの博物学者大プリニウスについてのシリーズをお送りする予定です。
大プリニウスについては現在私ととり・みきさんが共作で『プリニウス』という漫画を描いてもおりますが、できるだけ多くの方達にこの途方も無い知識欲と探求心、そして大胆さに満ちたおやじさんの存在を知ってもらいたく、テレビでもお話をさせていただけることとなりました。
前回と同じくカメラマンと音声さんはイタリアのみでなく欧州のテレビ局のドキュメンタリー番組などで活躍する2人。
私達が到着する一週間前にもドイツのZDFの取材で長期に渡ってカンパニア州の火山やローマ遺跡の取材をしたばかりという心強さ。カメラマンさんが私と同じ嗜好や興味を持っているというのは、いろいろ通じ易くていいもんですね。撮り方やアングルなども、細かい説明無しでイメージしているものが判るというのか。
同行のプロデューサー曰く「日本の撮影隊とはかなり違った映像が撮れている、面白い」とのことなので、皆様乞うご期待。
ナポリの国立考古学博物館では、イタリア国営放送のジャーナリストとして活躍され、作家でもあるルイージ・ネッコさんと古代ローマ談義。ネッコさんは考古学博物館のすぐそばで生まれて育った生粋のナポリっ子で「この博物館も私の家みたいなものです」というだけあって、古代ローマの知識たるや半端ありません。ご自身も考古学に関する書籍を出していらっしゃいます。御年83歳だそうですが、そのいちいち細かい事に動じなさそうな悠然とした佇まい、豊富な知識、なとなくプリニウスを思い出します。
しかも彼は1944年に起った一番最近のヴェスビオ火山噴火を目のあたりにしており、「噴煙の中から何かがぶつかりあうような金属音みたいなのが聞こえてきた、閃光がいくつもみえた」とその目撃描写もリアルです。「怖かったですか」と聞くと「いや、もっとそばで見たかった」
さすが。プリニウスに似ているのはその大柄な体躯だけではありません。
ちなみにネッコさんはRAIではおもにスポーツジャーナリストて活躍されており、丁度マラドーナがメキシコでのワールドカップで手でゴールをした際に強烈なコメントをしたことで国民的にもその知名度が広がったそうです。
こちらがネッコさんの動画↑
1巻の表紙のプリニウスの表紙を持って写真撮影。
ヴェスビオ火山の麓では養蜂場を訪ねたり、当時の耐震構造の工夫についてなど、漫画版『プリニウス』でもピックアップしている古代ローマの驚きの数々を、イタリア語を学びながらご覧下さい。
放送日が近くなったら再び告知致します。
(ちなみに私はこの撮影中に体調を崩し、ノロウィルスに感染していたことが発覚。ナポリーパドヴァへの5時間の列車の中では殆どトイレに閉じこもっておりました。ああ大変だった)
by dersuebeppi
| 2017-06-13 16:56