パレルモ 市場とノルマン王宮
2016年 12月 04日

パレルモ滞在2日目
本日の取材は市場とノルマン王宮
シチリアが文化の交差路であった軌跡を辿る度、今のシチリアもある意味で様々な人種が渾然一体化し、市場は以前よりも無国籍なムードで満ち満ちていて、かつて暮らしたシリアのダマスカスの市場の記憶を重ねながら散策しました。



安易に笑顔になったりはしない、シチリアの渋い親父達


市場の後の撮影場所はパレルモにおける重要建造物の1つであるノルマン王宮。
もともとは北方民族であるノルマン人がシチリアに築いた王朝がいかなるものだったのか、このビザンチンとイスラムの融合した建造物を見れば何となくイメージしていただけるかもしれません。


イスラム建築である鍾乳石天井と、ビザンチンモザイクの融合
装飾の中に記されている言語はアラビア語、ギリシャ語、そしてラテン語。
当時パレルモの街の中で飛び交っていた言語は多種多様。

800年前の人の方が、それぞれが異なった文化や社会や宗教を持つ世界のありかたに対して、今よりも余程成熟した考え方をしていたんじゃないかと思わざるを得ない、そんなノルマン王宮の佇まい。
この当時のキリスト教の人はこの精巧なイスラム建築技法を目のあたりにすることで彼らの文化を敬い、同じくこの当時のイスラムの人はキリスト教というものをもっと振り幅広く受け入れていたはずです。まあ、それにはそんな世界観を提唱したとある人物の存在があるわけですが……
とにかく、世界広しといえども、シチリアという土地の文化、そして歴史的経験値が他とは比類無く高い事を、15年ぶりに訪れて、改めて痛感させられました。
最後に:
ノルマン王宮で厄介になっているどなたかの形跡

by dersuebeppi
| 2016-12-04 23:59