改めて:わたしがツイッターを止めた理由
2016年 05月 17日
今になって考えてみれば、ツイッターというソーシャルメディアのTLは、時々イタリアの公園に集まって暇つぶしをしているおばちゃんたちの、嫁への愚痴や近所の噂話、テレビのドラマやニュースについてのおしゃべりの、あの雰囲気を彷彿とさせるものがありました。
それぞれ聞き手の注意を集めるのに一生懸命で、できるだけ声を大きくしたり、インパクトのあるセリフをはさんだり、それをその場にいる全員がやるものだから、多重音声になってしまって誰が何を言っているのかさっぱりわからなってしまう。やがて、各自の情報の断片がへんなふうに混じり合って、そこでありもしない新しい噂が発生してしまうのです。
実例)
夫の実家ではいつもあることですが、日曜日になると家に10人くらいの親戚友人が集まって、食事の場でおしゃべり大会が始まります。
ある日、私が日本のゴキブリというのはイタリアのよりもはるかに大きくて、機敏で、夏は街灯の下をぶんぶん飛んでいたりする、という話をしているところに、隣に座っていた姑がいきなり大声で「あたしなんかこんなに大きなサソリをみたもんね!」と両手で30センチくらいの間隔を作ってみせて私の話を遮りました。そのあと、話題は姑がエジプトで見た巨大サソリの話に移行、私の日本のゴキブリについての話はそこで途絶えてしまいました。
その数日後のことです。
実家の近所にある喫茶店に入ったら、そこのボーイさんに「日本って30センチくらいの巨大なサソリが電燈のしたをぶんぶん飛んでるんだってね、怖いね」と話しかけられ、愕然となりました。
私がツイッターを止めた理由は、ちょっと無責任で噂好きなそんなおばちゃんたちのおしゃべりを、どことなく思い出してしまうところにもあったかもしれません。そもそもああいうおしゃべりの場では1つの話題を深く掘り下げたり、真相を様々な観点で突き止めてみたり、なんてことをするのはふさわしくもありませんからね。
もちろん、その軽さ故に気軽に手軽な言葉の交わし合いを楽しめるところががツイッターの良さでもありますが。
ところで、私がツイッターを止めたのは、どうも過去の契約トラブルを振り返った数日前の連続ツイートが原因ではないかという噂が何気に流れているようですが、それは一切、まったく、関係ありません。
イタリアおばちゃん方式で、突然ツイッターを止めた事にどうしてもドラマチックな理由付けをしたかった気持ちはわかりますが、残念ながら違います。
補足しておきますと、今現在私が拘わりを持っている出版社数社とは円滑なやり取りをしておりますし、仕事を進めていく上では何のトラブルもありません。
なのに誰が広めたのだか、止めた後までこんな顛末を知らされるのは何ともとほほな気分です。
写真は古代ローマに起源があると言われているカーニバル時期のお菓子"Chiacchere" (おしゃべり)
by dersuebeppi
| 2016-05-17 05:03