プリニウス3巻発売 美悪女と大ダコ
2015年 09月 10日
合作っていうのは2人の作家がそれぞれ…とか悠長な事を語れていた時期はもう終わりました(笑)
プリニウスの制作期間にはいると、イタリアにいる私も日本のとり氏も細かい事を考えているゆとりは皆無になります。
締め切りに間に合うかどうかとハラハラしている担当編集氏の手にラストの1Pが渡った後は、完全な腑抜け状態。週刊連載も大変そうだけど、月刊でありながらこんなトライアスロン競技をしているみたな心地になるなんて、描き始めた頃は想像もしておりませんでした。
だからこそ、新刊がこうして市場に出た時の喜びと安堵もひとしおです。
今回は岩合光昭さんの「猫歩き」的な古代ローマ猫視線のエピソードから始まり、またしても数々の動物や怪物が登場します。正直、この時期のローマはネロというローマ帝国史上屈指の奇抜な皇帝が君臨していたわけですし、彼を軸にしたドラマチックな出来事もこれでもかというくらいネタとしてあるのですけど、そちらに焦点を置き過ぎると、博物誌とプリニウスの浮世離れした世界観に集中できなくなってしまうので、なかなか構成のバランスを取るのが大変でございます。
やはりどんな世も、群を抜けるくらい一筋縄ではない奇人変人というのは、社会を揺るがす現象とは距離を置いたところででしかその才能を発揮できないものなのかもしれません。
でも1ページ毎にじっくり絵を見つめてしまう図鑑としての要素、しかも歴史も感じられる漫画、という最初から抱いていた目論みは少なからず果たせている感触は確実にあります。
そんなわけで只今発売中でございます!
ご購入はこちら プリニウス3
おまけについてくる一角獣ポストカード
そしてこの3巻発売に合わせたとりさんとの漫画制作秘話トークショーも行います:
『プリニウス』第三巻刊行記念トークライブ
表紙はネロの愛人で皇后の地位略奪をねらうポッパア、帯をとればとり・みき氏による大ダコに破壊されるガレー船の図です。
by dersuebeppi
| 2015-09-10 18:09