そして沖縄

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 今朝、一週間前からこちらに遊びに来ていた幼馴染のNさんが日本へ帰国。

 仕事が忙しかったので彼女にはほとんど家で他愛も無い事を喋る以外特別何もお世話してあげられませんでしたが、荷物だけはこちらへ来た時の倍の重さにして帰って行きました。
 それでも昨日は時間を作って一緒に大型ショッピングセンターへ足を運んだのですが・・・そこにあるペットショップへ何気に入ってみると、可愛い子猫が猫鍋状態で檻に入っているではないですか!!
 雑種なので、多分どこぞで生まれた子猫をその店が引き取って里親を探しているようでした。

 ショッピングセンターに居る間、ずーーーーーっとその子猫の事を考え続けた私だったのですが、沸き立つ誘惑を抑えて帰宅。

 ゴルムの遺灰が届けられて間もないので・・・まだ彼がどうもそばに居るような気もしてしまいますしね。
 10月の末を待ちます。(10月の末とはなんぞや?以下の日記をご覧下さい)


 さて、夏休みの記述の続きを。


 前回7月中旬に訪れた伊東温泉のことに触れましたが、その時の写真を更にまた少々・・・
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(芸妓に扮したわたくしの首下のショット)
 
 こちらで2人の芸妓のお姐さんのお世話になったんですが、お2人ともまさに「粋」たるものを形にしたような方たちで、日本にかつて存在していたこの女性に対する美しさの観念は素晴らしいものだなとしみじみ痛感いたしました。
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 「粋」って言葉はこの機に教えていただいたんですが、本来女性にだけ使う言葉なんだそうですね。
 女であるはずの自分の中にはまったく見出せない要素をふんだんに感じさせる方たちでありました。
 夜はこのうちのお独り、波姐さんのお店へ行ってビームのO編集長と飲んだり歌ったり。編集長の持ち歌「待つわ」は巷の噂で「・・・すごいよ」と聞いていたので、それを直に耳にすることが出来て感無量でございました。お姐さんはびっくりして言葉を失っておられましたが。


 さて、伊東の次は沖縄なんですが、その前に東京では居候させていただいていた松田洋子先生宅でおいしい豚キムチを頂いたりほんとにちょっとだけ原稿のお手伝いをさせていただいたり、出版社の方たちと打ち合わせをしたり、あと参加させていただいている同人誌「赤い牙」の焼肉会で美味い焼肉を食べたり・・・


 そんな東京滞在を経て私は一人で沖縄へ。
 マンスリーで予約していたレンタカーを借りて、那覇市内を適当にドライブ。そうしているうちに夜になり、旦那もシカゴから飛行機を乗り継いで(シカゴ-成田-関空-那覇)到着。その夜は那覇に一泊して、翌日国道58号線を通って一路北部の本部町へ。東シナ海の青い海を左に臨みながらラジオで来日しているイタリア人オペラ歌手のインタビュ-を聞く旦那。
「O sole mio」など次々に流れてくる定番カンツォーネに「ラジオ消してくれ」。
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 お昼近くに本部町に到着、借りるお家の管理会社であるアルマ・リゾートへ行き、目的の家屋まで連れて行っていただきました。
 ネットで写真を何枚か送って着ていただいたので既に見て知ってはいたのですが、その実際はもっと素敵!な古民家。「ガーデンハウス」という名称なのですが、その名の通りゴーヤーやパパイヤやバナナの木が茂る素晴らしいお庭つき。背後には八重岳の密林が茂っており、もう願っても居ないロケーションで私も旦那も大満足でした。
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 お家は古いといっても築30年くらいのものということで、しかも改装されているので快適さは抜群。8名まで泊まれるそうです。
「8月いっぱい沖縄で家を借りて仕事する」と言うと「無理だよ、そんなの!」というのが周囲の反応だったのですが、クーラーもPCも完備なので何の問題もあるように見受けません。

 いったん落ち着いて早速近所の食堂で「ゴーヤー」やら「海ぶどう」など沖縄の美味いもんで空腹も満たし、その後4年前に訪れて本島なのにその海の美しさに感動した瀬底へ。

 前回は子供がどうしても人口尾びれのイルカ「フジ」に会いたいと、なけなしのお小遣いを叩いて私達に沖縄へ連れて行ってほしいという要求を受けて訪れた本部町。その時は到着した翌日に朝からこの瀬底ビーチへ行って夕方まで楽しんだのですが、沖縄の紫外線の恐ろしさに何の知識も無く、イタリアの海岸感覚で出かけた私達はとんでもない目にあったのでした。
 駐車場が一日1000円、パラソルも一日単位で借りたので「今日はたっぷりビーチで過ごそう!」とせこさに煽られて意気込んだのですが、結果親子3人全身真っ赤の軽症やけど状態。ちらほら見えていた服を着て泳ぐ人に「肌が焼けたくないのはわかるけど、あれはおかしいよな!」と軽佻していた旦那でしたが、自分の判断の過ちを残された数日間の滞在中ずっと悔やみ続けておりました。
 そんなわけで今回は海に行くなら午後4時以降、必ず服を着て泳ぐと決めて勇んで出かけた瀬底だったのですが・・・

 目的地に着いて、その周辺の変容に愕然。
以前駐車場があったはずの場所に巨大なコンクリートの建造物が建っていて、ビーチにそってどーんと視界を遮っているではありませんか。
 見るからに「ビーチリゾート」なその建造物、しかし工事が為されている様子はありません。というか、なんだか様子が変。建設途中に開発会社が破綻したんだそうです。
 とにかくそれにショックを覚えた旦那、結局泳がずして家へ帰り、ネットで私にその謎の建造物についてを調べさせ、観光という視点から外れた沖縄という島の実態についての探究心を抑えられない感じになってしまいました。
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(夕日は相変わらず美しかったですけどね。やどかりも元気)
 
なんで、旦那はその日からずーーーっと知られざる、知らなかった沖縄の様々な実情を調べまくり。
 挙句にはイタリアの地元新聞に「悲しき熱帯・沖縄」なんてレヴィ・ストロースみたいなタイトルで記事まで掲載する始末。
 しかも時期は8月。
 テレビでは連日「大戦の生き証人」ドキュメントを放映しているわけですよ。でもって、それを私に全てを訳させるわけです。これはもう、なんていか、ほんとに、・・・凄かった。パプアニューギニア、ビルマ、フィリピンなどの南方をはじめ、日本で唯一の上陸戦があった沖縄。
 朝にそのドキュメンタリーを見ることから一日がスタート、その後に原稿仕事っていうサイクル(やっていたのはビームのローマ漫画・・・)はハッキリ言ってハードそのもの。
 しかも私はペットロスを引きずってもいたので、沖縄という素晴らしい場所に滞在しつつもすがすがしいリゾートな気分にはなかなかなりません。
仕事を持っていくという時点でまあ、それは回りからも懸念されていた通り、ムリな事だろうとは思っていたのですが・・・

 そんな私の様子に呆れたのか、疲れたのか、ある日PCの前に座っていた旦那が私を振り返り、こんな言葉を。

「ほら、ここにマリの愛情を必要としている子猫が生まれてるよ!」

 何のことかと思って画面を見ると、ポルトガルのコインブラという街に暮らすブリーダーのサイトで、なんだか凄く派手なトラ柄の猫なんだか山猫なんだかわからんような猫の画像が映っています。

「これ、この間生まれた猫、予約したから」

 もしも新しい猫を新たに家に迎え入れるのであれば、私は別にどんな猫でも良かったのですが、旦那はなんだか妙にそこに出ている猫に固執しているわけです。
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 じっくりとGoolge Earthで探して見つけた今帰仁の素晴らしい、土日の釣り人以外は毎日徹底的に無人のその小さな砂浜へ毎日午後の4時過ぎにシュノーケルへ出かけ、美しいさんご礁を堪能している間でさえ
「・・・ところでさ、あのコインブラのトラ猫の事だけどさ・・・」と猫のことが忘れられない様子の旦那。海の中のきれいな熱帯魚見ながらも頭の中はネコ。
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 彼も彼なりのペットロスをそうやって解消しているのかなと思いつつ、どんどん段取りが本部町の古民家のPC上で進行し、ついにその雌の子猫(その名もクレオパトラ)が10月末にうちにくることになってしまったのでした。

「誰かの愛情を必要としている猫がいるよ」という言い方が有無を言わさずゴルムの次なる猫を迎え入れるべきという旦那の説得法、なかなか効き目があったと言えましょう。
 
 そんな訳でまあ、あの環境で毎日仕事をこなすのはホントにヘビーなんですが、夕方には先述の今帰仁や古宇利島などの無人の浜に出かけてリラックスできるので、第二次世界大戦の実態の深みに嵌まり込んで考え込む以外は精神健康面も絶好調。
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 実は今年の夏休み、私は本当はパプアニューギニアへ行きたかったのです。
 動機は、このブログにもかつて何度か書いていますが、水木しげる先生の戦争体験の本を読みすぎたせいもあったからと言えます。チケットやホテルの手配も仕掛けていたんですが、旦那といろいろ検討した結果沖縄本島の古民家になったわけです(だんなは送りつけたロンリープラネットを読んでいるうちにパプアの原住民に怯んだらしい)。
 でも結局私が今回の沖縄で感じたものはパプアニューギニアを訪れても感じていたものに近かったかもしれません。

 ある日古民家裏の八重岳へ旦那と出かけた時、鬱蒼と樹木が生い茂り、大きなコウモリが頭上を飛んでいくその人の気配のない山の中で私は対戦中に学徒動員されて無くなった息子と同じ中学生の子供達の慰霊碑や、清松隊という隊の陣地壕跡地、そして玉砕慰霊碑などを見つけました。

 ほとんど訪れる人も居ないという、北部の激戦地のひとつであるその八重岳にひっそりとたたずむそれぞれの慰霊碑。
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 後に私達がお世話になっていた民家のオーナーの棚原氏に伺うと、沖縄は南部の激戦が有名だけれと、本部町あたりもかなりのダメージを蒙ったのだそうです。本部町といえば「ちゅら海海洋博物館」でしか知られていない場所ですが、実はそこにはそんな背景もあるのです。
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(日没後の八重岳山頂付近)
 
 いよいよ沖縄を去る日が近づいてきたころ、この棚原氏がご婦人と一緒に大宜味村などやんばる周辺を案内してくださり、観光客がほとんど来ない美味しい沖縄そば屋も堪能。夜は家でゴーヤーパーティーをしようということになり、氏が獲れたてのカツオのさしみと泡盛、三味線を持参で登場。
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 うちの坊主がゴーヤーチャンプルーを作りたいというのでその手ほどきも丁寧に受けました。
 イタリアでは皆で集まって楽しみたい時はレストランへ行くよりも誰かの家へお呼ばれするか、または呼んで楽しむかのどちらかが多いのですが、日本ではあまりそういう習慣はないように思います。
 ですが、このように美味しい食材やお酒を持ち込んでいただいて周りに気兼ねすることなく美味しいものを堪能し、しかも素晴らしい三味線で民謡まで唄って下さるとこなど、どことなくラテンの家族的な雰囲気が漂います。

 棚原氏の奏でる南洋小唄に心打たれ、家のすぐそばが舞台という石くびりなど有名なのも含めた数々の民謡、何かが具体的に似ているというわけではないのですが、耳を傾けているうちに哀愁に満ち満ちたポルトガルのファドに通じるものがあるように思えてならなくなりました。
 そういえば、旦那が散髪に言ったその民家のすぐそばの小さな床屋さんのお父さんが、ある日突然うちに庭で取れたというグアバをどっさり持って現れました。
 バーンと現れた割にはシャイな感じで目線も伏し目がち、グアバを私にぐいと託すと自分でドアをバーンと勢い良く閉めて、さささっと去って行った床屋さん。
 あの感じもなんだか粗忽で謙虚なポルトガル人に似ているなあと思いました。
 歴史的にもいつも隣国スペインの侵略に煽られ続け、だからこそ自分たちのアイデンティティーに対しても確固たるプライドが存在するあたりなんかも、ちょっと似ているかもしれません。

 今でもあの一ヶ月を振り返るといろいろなシーンが脳裏に蘇ってきて、感極まる思いにさせられます。
 あんなに美しい自然がある沖縄という島に強いられたいろいろと切ない過去や現在の事情にも、これだけ長く居られたからこそしみじみ接することができたと言えましょう。
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(今帰仁城にいた猫)

 沖縄本島に数日間滞在されたい方がいらっしゃいましたら、この本部町伊野波にある古民家「ガーデンハウス」、おすすめです。そばの今帰仁村にはほんっとにきれいなビーチもあるし、夜にはでっかいオカヤドカリも出現します。

 ああ、また戻りたいなあ・・・

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(息子のアイドル、イルカのフジも元気でした)

 というわけで8月が終わり、ほんの一瞬だけ北海道へ戻って数ヶ月前から予約をしてあったトムラウシ温泉へ向かった我々は、そこで人生出始めて野生のヒグマに会いました。

 つづく。
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# by dersuebeppi | 2009-09-21 19:54
ゴルムの件では本当にみなさま暖かいお言葉を下さってありがとうございました。
立ち直るにはまだまだ時間が掛かりそうですが、何とか乗り越えていけることでしょう。
日本からゴルム似の縫いぐるみを買って慰みになるかと一緒に寝てみたら、朝、その縫いぐるみは床にふっとばされていました。
そんなもんなんですね。

というわけで、私と息子は昨日の夜にリスボンへ戻ってまいりました。
6月の半ばにシカゴへ行ってから、何だかんだで今年は約3ヶ月もこの家を空けていたことになります。
長い夏だった・・・・

手短にですが、写真をアップしながらこの3ヶ月を振り返らせて頂きます。

6月の中旬:
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来年から移住することになるシカゴへ下見に。
ちょうどブルースフェスティバルの時期でシカゴもかなり盛り上がっている様子でした。
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旦那の大学のある市の南部、そして多分暮らすことになる北部などをじっくり見て周りましたが、空気が何気に北海道を彷彿とさせるものがあり、冬の寒さも北海道に暮らした経験のある私ならばまあなんとか乗り越えられるかもしれんな、という自信も極微量でありますが沸きました。
大学からそう離れていない場所にあるオバマん家も見に行くと、その前を通過していったチャリのアフリカ系のおっちゃんが見張りの警察官に「今週末は大統領帰ってくんのかい?」と問いただし、「今週末はワシントンだよ」という答えに「ちぇーっ、なんだあ~」と片手を上げてその場を去っていきました。
オバマ、地域に根付いてます。
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旦那には便利なんで別に南部に暮らしてもかまわないと最初は思っていたんですが、ま、周辺からのいろいろな助言などあり、結果北部にアパートを探すことになりそうです。
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しかしなあ・・・アメリカにだけは暮らさないと思っていたんですが・・・・人生ほんとに先が読めません。

6月の下旬:
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日本へ到着した私は東京などでの用事を済まし、その後すぐに漫画家のお友達三宅乱丈さんと東北4日間の秘湯主材旅行へ。
三宅さんの車を交互に運転しながら函館からフェリーに乗ってまず青森の青荷温泉へ。
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ランプしかない宿で4回ほど温泉に出たり入ったりしているうちに何気に湯あたりの気配が・・・
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でもあまりのその宿の赴きの素晴らしさと周囲の環境の良さに打ちのめされて結局合計で7回くらいは湯に入ったでしょうか。
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夜は津軽三味線も聴けました。
その後向かった先は秋田県の後生掛温泉とその周辺。
まずはどうしても訪れたかった「大湯」というひっそりとした湯治場へ。
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オンドル小屋にも寝そべらせてもらい、しばし夕べの湯あたり感を癒しました。湯治にいらしている方達はみな物静かにじっと寝そべっていらっしゃいます。全然健康体な自分達がそこにいるのはとても罰当たりな気分になり、早めに退散。
その後は「馬で来て下駄で帰る後生掛」という云われの後生掛温泉へ。周辺に煙が立ち込め、硫黄臭が漂う地球離れした八幡平のその光景に写真をバチバチ撮りまくりの乱丈。
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名物箱蒸し風呂など4種類ほどのお湯に使っているうちにいよいよ体が軟体動物化。温泉取材は気合と体力が欠けたら話になりません・・・・
翌日は乳頭温泉郷へ。
以前テレビで取材に来たことのある「鶴の湯」へ寄ってみると、観光客がどっさりで全然秘湯の神秘さがありません。前は真冬だったんでそんなこともなかったのかな、なんて思いながら最終目的地である「黒湯」へ。
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つげ義春さんの漫画で読んでから絶対に行きたかった黒湯。
駐車場を下りてから徒歩で細い坂を下りると、ありました・・・・つげさんの漫画にも出ていた茅葺きの家屋・・・
宿舎は改装されてきれいなものになってましたが、気温は30度以上もあり、部屋の中もものすごい暑さ。
だけど風呂には入らねばということで風呂に入り、ビールを煽り飲み、夕食で一人旅で東京から来ているという男性と秘湯大好き話で盛り上がり・・・
その後また風呂へ。
混浴に思い切って入ってきたという横浜から一人できていたお上品な主婦の奥様と一緒になり、「主人に入ってみればいいじゃないかと言われて実行したけど、狭いところに男性ぎっしりで、しかも全員目を反らしてるところが不自然で、逆に恥ずかしかったわよ!」と興奮気味。まっくらな周辺の山を眺めながらしばし3人で談話。
思っていた通りの温泉で黒湯は是非もう一度行ってみたいと思わせられる場所でした。

それから・・・・

7月中旬:
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伊豆、伊東温泉にて芸者体験取材。
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これは、まあ、後に漫画になったところでその成果を確かめていただくということにして・・・
一言。
大変でした。
暑い中に黒い着物姿。鬘。しかも即席で覚えた都都逸と踊りを披露せねばならんという・・・ほんとにもう、なんていうか、思い出すと頭が弾け飛んでしまいそうなくらい強烈な体験でございました。
自分にとってこの世で最も似合わないのが日本髪の鬘と着物姿だということも痛感しました。
鬘を取って鏡を見た瞬間、そこにマイケル・ジャクソンの霊が映っているのかと思ってしまいました。
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でもお土産に買って帰ったかますの干物は絶品でした。

そして8月初日:
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沖縄・・・本島北部の本部町のひっそりとした田舎にある古民家を借りてシカゴから来た旦那と一ヶ月の滞在・・・・もちろんたっぷりの仕事も抱えて。ゴルムが亡くなった知らせを受けた直後なので意気消沈して出かけたにも関わらず、いろいろと盛りだくさんで激しい一ヶ月の滞在となりました。

・・・なんだか長くなりそうなのでひとまずここで区切ります。
(時差ぼけで眠くて死にそうなんで・・・すみませんです!)
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# by dersuebeppi | 2009-09-12 03:14
ご無沙汰しております。

一番最後に投稿をした日からずいぶん経ってしまいましたが、その間、本当にいろんな事がありました。
どこにいたのか、そして何をしていたかについての詳細はまた後日、時間と心にゆとりが出来たときにでもぜひ書き込んでみたいと思います。

とりあえず来年から移り住むシカゴの下見も済みました。
東北の秘湯を訪れて湯治の取材も実施しましたし、伊豆・伊東温泉でのとんでもない体験取材も経て、現在私はシカゴから日本へ来た旦那と沖縄の古びた民家におります。
ここで夏の残りの日々を過ごしてまたリスボンへ戻ります。

・・・

さて、ここに書くべきかどうかかなり迷ったのですが、自分を納得させる手段も尽きてきたのであえてお伝えさせていただきますが・・・

私の愛猫ゴルムが事故で亡くなりました。

あまりの唐突な出来事で、いまだに心臓が皮を剥がされたみたいに震えている感じです。
猫ごときでおかしいかもしれませんが、それで会えるのならと後追いすらしたい衝動にも駆られました。
今も大きなものを損失してしまった揺れる自分の精神のバランスを取るのに想像以上の苦心をしております。

シリアのゴミ箱で見つけたときは手のひらに乗る大きさで、その時から今までの6年間、本当に彼の存在に救われ、励まされ、癒されながら過ごしてきました。原稿用紙の傍らに幸せそうな顔でたたずむ彼に向かって何度となく生まれてきてくれてありがとうと連呼して過ごしてきました。

なので、このような突然の別れでも思い残すことはありませんし、猫にとっての死はきっと人間のよりももっとスムーズでナチュラルで当たり前のものだろうから、こんな動揺も彼が見ていたら不思議だと思うのかもしれません。だからなるべく早く立ち直ろうと頑張る自分がいるのですが・・・うまくいかないもんですね。

どれくらいの時間がかかるのかはわかりませんが、今は悲しみやせつなさに身をゆだねるしかないのだと諦めています。

愛する誰かと、何かと暮らすということは、最初からこのようなハードルがセットになってるんですよね。

苦しいけど、じゃあ最初からゴルムに会っていなければ良かったのかといわれれば、そんなことは絶対にありません。
与えてもらったものの大きさは図りしれないわけですから。
こんな大きな悲しみがセットであっても、私は彼と一緒に居たかったに決まってるし、居られて良かったです。

ゴルムという猫の居た私の人生、貴重です。

この大切な思い出を胸に長生きしようと真っ青な空を見つめながら思う今日の私でした・・・
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# by dersuebeppi | 2009-08-03 18:59

使えるようになりました

ええっと、件のカードですが、深夜3時半まで掛かって日本のカード会社諸々と電話で取り合った結果、再度使用できるようになりました・・・

ここで詳細をお伝えするには複雑すぎる事情が絡んでいたことが発覚したんでありますが・・・

要するにまあ、なんていうか、カード管理会社もどこぞと合併したとかなんだとか、何だか複雑なことになっていて、それでいろいろと思いがけない事が起こってしまったりするわけですよ。

まあこれでとりあえず明日からのアメリカに安心して出発することができるざます。
あ、明日じゃなくてもう今日か。

ところで本日12日は:
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講談社「ルミとマヤとその周辺」の3巻(最終巻)と
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「テルマエ・ロマエ」第4話掲載が掲載されているコミックビームが発売される日ざます。

よろしければ毛色の全く違うこの2作品をぜひご覧になってください!

では黒雲に雷マークの天気予報が示されているステキなシカゴへ行ってまいります・・・

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# by dersuebeppi | 2009-06-12 06:14
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あーあ。

毎度忙しさがピークの時って「前代未聞の忙しさだ!」って思うんですけど、もうその前代未聞も100回以上更新されてしまって、今の私は伸びたパンツのゴムくらい忙しさに対して寛容に受け入れるようになった気がします・・・

今したいことですか?
そりゃああなた、温泉にたっぷり浸かって、その後あんまさんに全身マッサージしてもらって、でそのまま寝込んで、起きて美味しい物食べて、でもってまた満腹感に促されるまま寝込んで、起きて温泉入って・・・

お金持ちになったら世界のどんな地域にいても絶対温泉掘ります。これはもう確定。
いろいろ調べてるうちに砂漠にでも掘れば温泉は出る場所があるそうですから、頑張ります、あたし。
じゃないと何の為の人生なのか。
臨終は温泉の中って決めてますんで。ええ。


それはそうと、今日の腹立たしいエピソード・・・

明後日からシカゴなので旦那から頼まれてるものだの何だの買い物をしに出かけたら、いつも使っているVISAカードが使えません。どこへ言っても使えないといわれるので、そんなはずは無いけど限度額を超えたかと思って日本のカード会社に問い合わせたら、なんと昨日私のカードの盗難の届け出が出ており、それでカードが使用停止状態になってるとのこと。
って、誰だよ、あたしのカードの盗難届け出した奴は!?
明後日からシカゴでその後日本で、でもって国内の飛行機だのホテルだの全部カードで予約してるし、カードで決済しようと思ってたのもあるってのに、使えなかったらやばいじゃないか・・

昨年暮れにカードが本当に盗まれた時も新しいのが手元に来るまで結構時間掛かりました。
その間は壱万円払って「緊急カード」なるものを使用していたのですが、今回に関しては盗まれてもいないのになんでこんな目にあわねばならんのか。

今日の深夜日本から連絡来る事にはなってますが、これで使えないって言われたら私はこの怒りをどこの誰にぶつけるべきか。
カード会社でしょう、やっぱり。本人確認もせずにどうして盗難届けを受理するのか!?
わけがわかりません。

仕事で忙しくて切迫してるところにこういうことが起こってくれるのが最高です。

そんなわけで、本日の癒しはこれです。

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ちなみに、この写真のサイトはこちら。http://pixdaus.com/
猫だけじゃなくてあらゆる写真がご覧にいただけますが、右脇のCATというところをクリックすると、猫の可愛い写真がいっぱいでてきます。

カード会社から連絡ついたらどういう顛末になったかまた明日書きます。
そんなこと別に読みたかねえ、と思う人もいるかもしれませんけど、報告させてください。

ではまた。
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# by dersuebeppi | 2009-06-11 07:06
もう5月もこんなに末になってしまったんですね。
時間が全然足りないっていうか。
ほんとに足りないっていうか。
リスボンは32度です。
ビーチな空気で満ち満ちています。
外に出てもあたし以外に切羽詰ってそうな雰囲気の人はひとりも見受けません。

癒し力満点な写真でも見て頑張るしかありません。

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上の2枚はうちのドラ猫と同じ柄ですが、知らない猫です。
こんな決定的なショット撮ってみたいな、私も・・・
なんてそんな事考えてる場合じゃないんでした。

さ、仕事しよ・・・
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# by dersuebeppi | 2009-05-28 18:32

虫を愛でる

もうけっこう前の事なんですが、息子が舅の妹から手作りの筆箱をプレゼントされました。
彼女がハマっているデコパージュ作品であるその筆箱、息子が好きな虫をあっちこっちに散りばめたデザインになっております。
彼女曰く、この虫の画像をネットで探すのが大変だったそうです。
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わあ、ほんとに頑張って探した画像だけあって、なんだかいろんな虫が勢ぞろい!
手前のクワガタは足が全部内側に折れてるようだけど、大丈夫かな?
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このハラを見せてひっくりかえっているのは蛾かな?蜂かな?
クモもいるよ!
蓋を開ければほお~ら、芋虫もこんなに!!
巨大なテントウムシよりも、どうしても芋虫に目が止まっちゃうな!
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わははあ~
ちょっと凄いなあ、この筆箱☆

・・・・もちろんまだ使ってませんよ!っていうか、使うの勇気がいるよ!
毎回蓋を開けるたびにびくっとなるからね!


この息子のプレゼントを見たとき、「虫が好き」というメンタリティーってのがしみじみ地域限定のものだということを実感いた」しました。

かつてアマゾンのジャングルで巨大なカブトムシのメス(多分エレファスオオカブト)を捕まえたとき、それを胸にくっつけて宿泊先のロッジに戻ったら、それを見た客のアメリカ人たちが皆で悲鳴を上げてパニックをおこしたことがありましたっけね。
私はもうそれはそれは興奮して、その臭さに堪えながらも全身うっすら毛に覆われた彼女をなでながら一晩一緒に過ごしたのですが・・・ 
あの喜びが誰とも分かち合えなかったのは悲しかったです。

ちなみにまあ、私は上記したとおり大人になっても相変わらず虫好きなままなんですが、この筆箱に若干の抵抗感を感じてしまうのはなぜでしょう。
もしかすると何気に散りばめられた虫たちの様子から殺虫剤の臭いを連想してしまうからかもしれませんね。
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# by dersuebeppi | 2009-05-19 06:40

息抜きのTex Avery

日本で放映されていた「トムとジェリー」は三本立てでしたが、真ん中のエピソードだけ配給は同じMGMでありながらもトムもジェリーも出てこない、種類の違うアニメだったことを覚えてらっしゃいますでしょうか。

私は当然トムとジェリーも大好きなんですが、この真ん中のアニメもそれはそれは毎度楽しみで・・・
今思えば、本来子供の為に作られたものではないからなのか、嫌らしく媚びたところの全く無い、シニカルで強烈にバカバカしくて狂気的なものばかり。子供用じゃないからなのか、ピンナップガール風セクシーなお姉さんとかもじゃんじゃん出てくるし。

赤頭巾ちゃんがだいたいこれですからね↓
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日本が戦後の混乱期だった頃、アメリカではこんなアニメが作られていたと思うと感慨深いものがあります。

とにかくものすごいテンポで展開される突拍子も無いそのお話とキャラクターの数々に心奪われた私だったのですが、製作者はTex Averyという方で、バックスバーニーやドルーピーを生んだアニメータなんですね。バックス・バーニーはワーナー・ブラザースに居た時代のものなんですが、MGMに移ってきてからは一気にはじけたというのか、さまざまなボーダーを越えかねない凄い作品をどんどん作って発表していくわけです。

そんな中でも私が特に気に入ってるのがコレです。



Averyの描く男性(雄)ってのはほんっとにとことんダメな奴ばかりで・・・だけどなんだか憎めないというのか・・・
しかし、こんなのばっかり見続けてしまった為に私の異性への見解も相当懐の広いことになってしまった気がしてます(トムも含めて・・・・)。

あとAveryの代表作といえばコレですね。



子供の頃はこのアニメのオペラの中の歌詞「リポリタ、リポリタ」ってどういう意味なんだろうと思っていましたが、イタリア語を喋るようになってから「Di qualita, di qualita」(よい品質の)だったということが判明しました・・・
画面のヘンな針金を引き抜くところといい、往年のブラジルスター、カルメン・ミランダのコスプレといい、もう最高としか言いようがありません。

私、多分この人のアニメは婆さんになっても好きです。
一生飽きません。
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# by dersuebeppi | 2009-05-04 02:32
ライトボックスの件ではお騒がせしました。
自分でとりあえず何とか改造して、無理矢理機能させております。しばらく使ってると熱で原稿用紙が歪んできますが、そのタイミングさえも最近では読めてきて、そういう時は電気を一回切って一休みします。
まもなく取り寄せた新アダプターが到着すると思うので、それまでの辛抱です・・・

漫画家の松田洋子さんに頂いた頑張る男達のイラストを見ながら私も頑張ってます。
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男はやっぱこうじゃなきゃね☆
人喰いカニなんて何のその。
表紙に記載されている特集記事のネタも気になります。
チーズケーキモデルって何かしら。


ところで昨日イタリアの姑と電話での話題が「豚インフルエンザ」だったのですが(シカゴにいる息子のことも6月にアメリカへ行く私たちのことも心配だったらしい)・・・・
恐ろしいこと耳にしてしまいました。

彼女のところにはモルダウから出稼ぎに来ているヘルパーさんやお手伝いの方がいるのですが、今回のこのインフルエンザの件をテレビで一緒に見ていた姑に

「モルダウでは数年前に豚が大量に死んで大変だった。結局何が原因かも知らされなかったし、それが新聞やテレビに出たことも無い。自分の家で飼ってる豚も死んだので、これはただ事ではないと思ったが、何が原因だったのかは未だに知らされていない」

ということを話したらしいです。

そ、そうですか・・・

でも情報は操作されまくりの世の中だし、特にこういう経済状況の厳しい旧ソ連なんて、まあ、きっともっといろんなこと起きてるけど何も言わないのだろうなあ。
そんな事言い出したら、日本だって中国だってアメリカだってここヨーロッパだってアフリカだって、露出しない大事件ってテンコ盛りにあるんだろうなと思いました。
アフリカとかインドとか中国とか南米とかが特にそういうの、多そうだな・・・

でも怖いよ、豚大量死。

大丈夫かしら、今の世の中・・・
カエルもどんどん居なくなってるみたいですね。
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# by dersuebeppi | 2009-04-30 16:40

どうしよう!!

うちにあるライトボックスが2台とも壊れてしまいました!!!
げげっ・・・
一台は昔から使ってるボロいやつで蛍光灯が切れただけかと思って取り替えたのに付かん!!
もう一台はちょっと奮発して買った薄っぺらくて目が疲れないやつなんですが、いきなり作業中に「ポン!!」てアダプターから破裂音がして、見たら臭い煙が・・・その後にヘンな油みたいなのが溢れ出てきました。

みっちり書き込んだ下書きをペンでトレースするのがあたくしのやり方なんですけど、しかも今まさにこれからペン入れせねばならんものがあるんですけど、これでは作業が進められません。
やばいです。

アダプターは前に別な電化製品で似たようなことが起きて、向かいの電気やに直してもらったんだけど結局また壊れてしまいました。なので直しに行くという気持ちにもなれないし。

日本から取り寄せてる時間ないしなあ・・・・・

10分くらい途方にくれてから、仕方なく工具持ってきて、自分で別なアダプターとプラグだけ付け替えようとしたけど、やってるうちに不安になってきてやめました。

しかたないので、ボロい方のライトボックスに小さな電気を引っ張ってきて無理矢理やってますが、すっごい無理がある。困った。

そんな困ってる最中にもうすぐ昼なのでハヤシライスを作ろうと思って、冷蔵庫にあった残りのルーを割り入れてたらなんだか知らない匂いのものが出来上がりました。
ハヤシとカレーを混ぜてしまったんですね・・・どっちも「とろける」って紛らわしいネーミングで、いっぱいいっぱいになってるあたくしには判別できんわ!!紛らわしい!

取り合えずライトボックスをなんとかすべし。
こっちにはこんなもん、売ってないよ、きっと・・・・

前に日本から松田洋子さんと一緒に遊びに来た清田さんという、物凄く起用な男性がおってうちの水周り関係や壊れたドアを綺麗に直してくださったんですけど、ライトボックスも自分で作ったんだそうです。
ああいう人が一家にひとり居てくれたなあ・・・

気を取り沈着冷静なゴルム。

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テンパる私を「なにやってんだよ、こいつ」と軽蔑しているようなまなざし。
ポイントは前足の間にある後ろ足。
ゴルム、助けて・・・
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# by dersuebeppi | 2009-04-22 20:57

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