自家製カード その2

どうせだから、もっと紹介しようと思います・・・
動物カードに費やした自分の苦労がここにアップすることで報いられるような気分がします。

それにしても、本当に思い入れて描いてるカードは自分で言うのもなんですが、急いで描いたわりには結構いい線行ってる気がするんですよね。

たとえばこれ。
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この名前をかのカードゲームからもろパクッたカブトムシなんて、ちょっと関節の下の微妙な盛り上がり具合が上手くできてるじゃありませんか・・・ 飴色の光沢もいい感じだわ・・・

でもって、このらくだの「ラクボー」も、中東に暮らしていた経験が背景の黄土に染み入ってて、とってもエキゾチック☆
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そうかと思えばこのアラスカ生まれの熊の「クマゴロー」の体躯もなかなか。
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で、これ・・・
イリオモテ。
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怖い。
子供にもこれは「怖いからいらない」と拒絶されました。

ざっと見て、集中力を注いで描いた雰囲気のカードは以上。

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レオ兄弟。
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トラのトラー。
こんなネーミング付けられても嬉しそうにカードを眺めていた息子が不憫になってきた。

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ゴマ・ベビー。
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ゴリラのリラちゃん。
メスだったとはね!

珍しい動物も発見しました。
ウォンバット。
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名前は「ウォンさま」。
韓流っぽいですね。

しめくくりはうちの猫、ゴルム。
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左下は生息地なんですが、リスボンになってます。
うちの飼い猫が一番ガサツな仕上がりになってます。ハートでガサツさをカバーしようとしている狡い手段がまた安っぽいイメージに一役買ってますね。

以上、ヤマザキ製作自家製動物カードでした・・・
もし増えるようなことがあったらまたご紹介します。(・・・もうないと思うけど)
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# by dersuebeppi | 2008-01-18 06:18 | 自家製カードゲーム

自家製カードゲーム

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日本から届いた小田扉の「団地ともお」を読んでいたら、登場人物達が自分で作った手製のカードで遊ぶというエピソードがでていました。
たぶんこれ、一時期子供らの間で激流行していた「ムシキング」がモチーフになってるんだろうと思うんですけど、このカード、一枚100円もするそれはそれはにくったらしいシロモノで、ともおみたいに大したお小遣いももらえてない子供は愚か、親にとっても子供がこれに没頭してくれるのはあんまりありがたいことじゃなかったんじゃないかと思われます。

だって、バトルするのに、何十枚とか必要だったりするわけですよ!?
紙に何千円も払わねばなんないんですよ!?

わたくしに関しては、ムシカードだけじゃなくて、あの、中に何入ってんだか買ってみるまで中の見えないいろんなカード、あれも「勘弁してや・・・」な代物で、息子にはなるべく早く興味を失ってくれまいかと切願してるくらいです(現在進行形)。

もう数年前のことになりますが、ポルトガルに引っ越してきて間もなく、日本のお友達と離れてしまった息子は一緒にカードをしてくれる相手がおらず、いつも私に「やろうよやろうよねええ~」と執拗に要求し続けていました。
でも、ぱっと見た目、これらのカードってルールが複雑で、あたまの悪いおばさんにはさっぱり意味が理解できません。

「よし、わかった。ママがもっとすっごいカード作ってやろうじゃないか。それでだったら遊んでもいいよ」

うっかり口走ってしまったその一言で盛り上がる息子。

そこから毎日のように悪夢の「カード作り」の日々が開始されたのでした。

ともおを読んで急にそれを思い出し、今息子に持ってきてもらったんですが、これ、今見るとなかなか凄いカードです。

私のやる気がある日とない日で作られたカードの完成度の格差には目を見張る著しさがあります。

やる気のあった日のカード、例えばこのイルカシリーズなんて「おお、なかなかキレイだ」と自分で感心するほどの感性度ですが・・・
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いきなりこういう甲冑着せられたのがでてきたりします。
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あとルールは息子が作ったので、私は結局あんまり意味がわからんままです。
ちなみにこの辺なんか、もう投げやりもいいとこです。
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動物の選択が際どいっていうか、ハコエビなんて誰が知っとるんか!?って感じです。

このカブトガニの衝突も発想が普通じゃないですね。
あ、カブトガニしゃなくて「カブガニ」か。
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ちなみにあたくしの切り札カードがこれ。
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「パンポリン」
ネーミングの適当さも際立ってます。

この象なんかも、これ、疲れてる時に描いたんだなあ~と思いますが、耳は人間なんっすよ。牙もへんだし。
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カード総数全部で55枚、なんの稼ぎにもなりゃしないのにこんなに熱心に自家製カードを作ったかつての自分に感動を覚えるわたくしでありました。
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# by dersuebeppi | 2008-01-14 05:38 | 自家製カードゲーム

古代ローマ漫画

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昨日の単行本刊行に引き続きまして、本日発売の「コミックビーム」という青年漫画誌に
「THERMAE ROMAE」(テルマエ・ロマエ ローマ風呂)という読みきりを載せていただいております。

夏に届けた原稿ですが、やっと掲載が決まって私的にはひっじょーに嬉しい次第です。

だって、初の青年誌(読者対象がジェンダー無用系雑誌というか)・・・
自分のマニアックな部分を思う存分晒し出せた漫画だし。
絵柄も・・・多分これが本当の私流。
少女漫画やギャグエッセイはそれなりにかわいらしくなるよう意識してますけどね、多分何も意識しないで漫画や絵を描いたらこういうタッチになると思います。

目尻や眉間の皺とか膨れ上がった鼻の穴とかヒゲの剃り残しとか、そういうのをバンバン描きたいのよ!

内容は、古代ローマ人がタイムワープして1970年代の浅草の銭湯の湯船から出現するというアホなストーリーですが、描いてる私もかなり楽しめて描けた作品です。
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風呂文化ってのは世界のいろんな地域に見受けられるものですが、「湯に浸かって交流する」っていう見解でいくと徹底的なのは日本人と古代ローマ人ですからね。この共通項は見逃せなかったわけです。

これをきっかけにもっと沢山ローマをテーマにした漫画が描けたら本望でございます。
よろしかったらどうぞご覧になってください~

こちらがビームの2月号表紙ざます。
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# by dersuebeppi | 2008-01-12 03:08

新刊のお知らせ

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本日発売の単行本です。
この漫画についてはブログでも何度か取り上げておりますが・・・

カバー用イラストは自分的には描きこみ過ぎた感じがしてたんですが、デザイナーさんのテクニックでこんなステキな仕上がりになってます。すばらしい!!
バックの升目は昔のノートっぽいし、写真の周辺のイチゴやハートのシールもツボです。
昭和臭が漂ってまいります。

でもこの画像はアマゾンで入手したものでございまして、私が実際この単行本を手に取るのはいつになることやら・・・・

ですので、皆様もし書店でお見かけしたら是非立ち読みをっ!!

・・・・と言いたいところですが、カバー掛かっててムリですね。


それにしても私はなぜこんなに小学校時代の記憶を鮮明に思い出せるのか不思議です。最近の事なら簡単に忘れてしまうのに。
それくらいインパクトの強い出来事が沢山あったってことでしょうか。

確かにあの時代は人間も今よりはるかに人情深くて人間らしかったし、子供もじゃんじゃん外に出て遊んでたし、好きなものなんかあんまり買ってもらえなかったし、貧しい家もたくさんあったし、ドリフのギャグで大笑いできたし・・・
今では稀有な事ばかりです。

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リスボンというノスタルジックさ満載の街に住んでるお陰で描けた漫画とも言えるかもしれませんが、多分自分でも絶対に忘れ去りたくない良き時代の思い出を刻印したかった、というのがこの漫画を描く一番の理由だったかもしれません。

読んでいただけたら嬉しいです。
(オマケページもオススメでございます)
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# by dersuebeppi | 2008-01-11 06:14
アップが遅くなってしまいましたが、皆様明けましておめでとうございます。
今年もどうぞ宜しくお願いいたします。

私は例年通り北イタリアの夫の実家で年末年始を過ごし、2日にリスボンへ戻って参りました。

今年はいつにもまして・・・疲れてます。はい。
疲労が全身の筋肉の中に凝り固まってて、一旦停止するともう動けません。飯炊きも掃除もやる気ゼロ・・・ってくらいでございます。

イタリアの家で私がせっせと蓄えてあったなけなしの体力が全てバキュームされ尽くした、と言うのが適切な表現になりますでしょうか。
でもって、今回は日本から母がお友達3人引き連れてきたこともあり、そちらとこちらとでもってあたくしの処理せねばならぬ仕事が全部ミックス。
母も「あんたよくやってるね・・・」と絶句するほど、やはりこの実家のハードさは半端じゃないらしいです。いつも客観的になれずに「こんなもんだろう・・・」と思ってヨメの義務を果たしているつもりだったのですが、母のその一言でとても不条理なものを感じてしまいました。
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他の人達が楽しい冬休みを満喫している間、私はまず潰した豚の腸詰作りに明け暮れ、一時間置きのストーブへの薪くべ、でもって掃除に洗濯で気が付けばもう夜、へとへとになりながら自分の仕事を深夜まで。という毎日。

休みを必ずどこかで取り直さねば、このままでは納得できません・・・

目出度さ感があまりに希薄で、なんだか一体いつが正月だったのかさえ思い出せないくらいです。でも確実に今はもう2008年なんですよね・・・?
一段落したら雑煮でも作って自分ひとりで正月祝うしかないですね。

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これはクリスマスの写真ですが、私にとってはこのツリーの飾りつけだってプレゼントの設置だって誰がやったと思ってんだ!!みたいな怒りがなんだかどこからかあふれ出て来てしまうショットです。でもプレゼントはしっかりもらいましたよ。黄色い財布とカバン。これでもうがっつり金運に満たされた2008年を過ごしてやろうではないですか。


でもそんな中、ほんの少しだけ許された自分の自由時間で映画を一本見て参りました。
私の青春時代を支えた作家、ガブリエル・ガルシア・マルケス原作「コレラの時代の愛」。
日本での公開予定はあるのでしょうか・・・

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キャストがびっくりするほど自分の好きな俳優ばかりで、そのお陰で以前同作家原作の映画「予告された殺人」でがっくりきていた私の不信感を一気に払い落としてくれました。

ハビエル・バルデム
ジョバンナ・メッゾジョルノ
そして私の理想の女性
フェルナンダ・モンテネグロ
その他いろいろ。

原作の舞台はコロンビアですが、撮影はブラジルで行われたそうです。
アメリカ映画なので、まあ、原作を知ってる人には若干エキゾチックさが強調されすぎてたりする感じもしますが、全体的には美しい画像だし、俳優は見てても苛立たないし(ヒロインのジョバンナ・メッゾジョルノがちょっとイメージと違ったけど)、まあ楽しめました。
音楽もよし。
作家がコロンビア人なので、同国のシャキーラも参加してます。でもなかなかいい感じです。

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ストーリーは手っ取り早く言うとロミオとジュリエット的顛末を強いられた若者がその後50年以上の月日を経てまた再会する・・・って感じですが、男の方は結婚もしないでその一目ぼれの女性を一途に思い続けるわけですね、途中700人近い女性と関係を持ちながらも。
温厚で純粋で内向的。だけどとんでもなくドラマチックな感情を抱え込む男。
これをハビエル・バルデムが見事に演じてくれてます。
実らない自分の思いに苦悩する時、静かに苦しむハビエルの声を殺して泣くその顔を見ただけでも感動。たとえ彼の私生活がどうであれ、私にとっては男性の俳優ではナンバーワンですね・・・
でもって、こんなに老人役を上手く演じる若手俳優もそんなにいないでしょう。
以前の「海を飛ぶ夢 Mar adentro」でもそうでしたが、こう言う人のことを俳優になるべくして生まれてきたと表現するべきなのではと思う私(大絶賛)。

それとこの映画のコンセプトはもう一つ、愛と結婚という定義についてですね。
なかなか感慨深いものがあります。

というわけで、日本ではいつ公開になるかしりませんけど、昨今の世の中の歪みに疲れた方には見ることを心からオススメしたい愛の映画。
「コレラの時代の愛」

最後にハビエル扮する主人公が「生は、死よりも限りない」というような感慨を打ち明けますが、凄くこれが心底に焼きつきました。
至上の喜びを知った人間にとっては生きることこそ限り無さを感じさせるものなのかもしれないですね。

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どうぞ見なさまにとってもそんな気持ちが醸される2008年でありますように。
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# by dersuebeppi | 2008-01-04 20:30
まずこちらに掲載されている漫画をご覧になってください。
千葉大作君

私のお友達が教鞭を取っている大学の、漫画学部の生徒さんだそうです。
私はこの事件の事知りませんでしたが、この生徒さんが亡くなってから来年の1月で一年経ってしまうそうで、なのに犯人の手がかりはナシ。
悲しいし怖いし、もうほんとにどうしたらいいのやら・・・

こちらのブログをご覧になられた方、もし「まさにこの態度は・・・」と思われるようなヤカラに遭遇したらすぐに通報を!

ほんとにこの日本の治安の悪さは際限なくエスカレートしてますね。
私の暮らすヨーロッパも、よく出かけていたブラジルも、たしかに治安は悪い部分がどっさりありますよ。ええ、通りでナイフ持って戦ってる人達を見かけたこともあるし、血を流して歩いている人に遭遇したこともあります。
でも、例えば誰もが怖がる中南米の治安の悪さなんてのはもっと具体的な理由があって、そのほとんどがやはり貧困だったり、その犯罪者本人が実質的な理由で生きるか死ぬかの瀬戸際をさまよってしまった、その煽りみたいなパターンが多いと思います。
でも日本のは・・・なんだか社会的なコンプレックスだったり愛情不足だったり、要するに「キレる」という言葉で纏められてしまうような、精神的なヤバさを感じさせる犯罪が多くないっすか?
あのイギリス人の女性の事件の男もまだ捕まってないんですよね??
日本ってのはホームレスさえも新聞を読める国なんだ、ってのが一時「日本の環境の良さ」みたいに唄われてたときがありましたが、それどころじゃないですね。
ひっそり餓死する人もいるし。
ヨーロッパは貧しい人も沢山だけど、餓死するような状況になったら誰も無視しませんからね・・・
宗教など、生活の日常意識が違うからでしょうか。

日本のニュースを見るたびに「・・・・」な日々が続いていた中、お友達のこの漫画を見て心底居た堪れない気持ちになりました。

漫画を製作したお友達によりますと、この事件現場は今では造成されて立派なマンションが建ち、「ここでのことは忘れてくれ」的な展開になってるそうです。
大学でも「もうそのことは・・・」という寝た子を起すな状態だそうです。
ひどいもんだ。

早く犯人に捕まってほしい・・・
こいつもそうだけど、その他の捕まっていない大勢の犯人も全て・・・
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# by dersuebeppi | 2007-12-17 17:24

アルカンタラの橋

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数日前、寝しなに塩野七生さんの「ローマ人の物語」の賢帝の世紀を読んでいたら、古代ローマ帝国初の属州出身皇帝トライアヌスが作った(というかサポートした)橋が未だにスペインのポルトガル国境寄りにある、と記述されていたのを見て旦那に確かめたところ

「明日行ってみっか」

ということになりました。
風邪引いたり仕事づくしだったりでかなり煮詰まってたので調度良い息抜きになりそうです。
彼の指ものさしで地図上の距離を測るとリスボンから2時間もあれば着くというので、ゆとりの気分で出発。

・・・4時間掛かりました。
しかも周辺、何もナシ。
人もナシ。
トイレもナシ。
旦那の時間の尺度はどんなに几帳面であっても結局イタリア式なので、アテになったためしはありません。

だけど橋は健在!!
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古代ローマのパワーは素晴らしい~ はあ~
惚れ惚れしてしまいます。
一度450年程前に壊れたそうですが1900年前の基礎はそのまま、修復をなされてからはずっと実用の橋として今もその上をトラックや車が通過しています。
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でも自分たち以外誰もいません。
あんまり観光スポットではないようですが、それが逆にいい感じです。
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橋からそんなに離れていない場所に、Alcantara(アラビア語で橋)という村があったので、そこでお昼ご飯を食べようということになりました。
村、って言っても誰もいません。皆家の中に引きこもっているのでしょうか。
唯一見つけたレストランはその経営者家族の居間化していて、付けっぱなしのテレビではシンプソンズがスペイン語でいろいろ喋ってました。そして小学生くらいの坊主が椅子に座っていつまでもそれを眺めておりました。
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こんなド田舎になぜこんな凄い橋が・・・と思いますが、1900年前は古代ローマ帝国の属州ヒスパニアとルジタニアを結ぶ重要な道路の一つだったそうです。

イベリア半島には、スペインにもポルトガルにもこのような素晴らしい建造物がさりげなくあったりするので驚きます。

帰りの道、道路わきの街路樹にぶつからない為の配慮でしょうか。
目がちかちかして逆に衝突しそうになります。
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# by dersuebeppi | 2007-12-13 02:42
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只今わたくしは来年1月に発売される講談社のBeth8号の、津原泰水さんの連載小説「人形がたり」用イラストを製作中ですが、今回は昭和2年にアメリカから日本に運ばれた親善人形がテーマでだそうです。
親善人形というのは、要するに「青い目をしたお人形は~」のお人形のことでございますね。
日本に13000体ちかく、しかも全員パスポート付きでアメリカから送られてきて、全国の小学校に配られたんだそうです。

ときにアメリカは大恐慌時代。
迫り来る不安は西海岸を中心に日本人労働者の排斥と執拗な排日運動にと変化していきました。そうした中で金融不安と政情不安の責任を日本人に転化してはならないと考えたた宣教師・シドニー・ルイス・ギューリック氏(20年の在日経験あり)が提唱し、両国の親善を願ってアメリカの人形を日本へ送ることにしたのでした。
そしてそのお返しに日本からも市松人形などがアメリカに贈られたそうです。

しかし、このアメリカ親善人形は第二次世界大戦で「鬼畜の国からの贈り物」ということで、わざわざ竹槍で刺されるなど無残な方法でも処分され、現在では全国で300体ほどしか残っていないんだそうです。

人形を竹槍で差すという徹底振りが凄まじいものを感じさせますが。

ところでこの親善人形のことをいろいろと調べながら、私はふとその時代、10年間アメリカのサンフランシスコとロスで東京銀行の社員として駐在していた母方の祖父のこと思い出してしまいました。
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早速今年の夏に実家へ戻った時コピーした祖父のパスポートを引っ張り出してきていろいろ確認してみると、渡米したのは1918年となっています。
帰ってきたのが10年後となると、ちょうどその親善人形が日本の小学校に向けて送られてきたあたりになる計算です。
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私が祖父の過去に具体的な興味を持つ前に亡くなってしまったので、今更その当時の事情などいろいろと聞き出すことも出来ないのですが・・・ 
恐慌の煽りなどがあったのでしょうか。

なにはともあれ、大学出たてのホヤホヤで渡米してから10年目に帰国した祖父は徹底的にアメリカナイズされており、祖母と結婚して移り住んだ鵠沼の家も純和風家屋でありながら、椅子とテーブルにトーストとオートミールを朝食に食べるような生活をしてたらしいです。
だからそんな祖父にとって第二次大戦ってのはかなり悲劇な展開だったようです。

これは母から聞いたことですが、親善人形が槍で刺されて処分されてた頃、祖父はアメリカで買いためたレコードのコレクションを蓄音機ごと風呂の釜で燃さねばならなかったそうで、その火で沸かした湯船に浸かりながら「ああ~今日は音楽風呂だ!」とやけっぱちになってたんだそうです。
でも実は何枚かこっそり残してはいたみたいで、それは未だに母の手元に保管されてます。

それにしても、93歳で亡くなるまで、ほんっとに古き良きアメリカでのことを色褪せさせずに思い続けていた人でありました。
亡くなる直前でしたが、私の学校の友達が電話を掛けてきて祖父がそれを受け、私がその時所在していた場所の電話番号を「ジロ(ゼロ)、スリー、ファイヴ、・・・」という風に英語で伝えたそうで、後でその友達に「マリの家に電話したら変な人が出た」と言われたこともありました。

あと、戸田得志郎はかなりの情熱派でもあったようで、亡くなってから発覚したんですが、アメリカに住んでいる間はロシア人のダンサーのお嬢さんとお付き合いしていたらしく、几帳面に彼女のポートレートとやり取りしていたお手紙がぴっちりと張られたアルバムが出てきました。

後藤新平が外務大臣を勤めていた頃に発行された、大判サイズの仰々しいパスポートによると渡米時正確には23歳と3ヶ月。
駐在していた10年の間一度も日本に帰らなかったそうですから大した染まりっぷりっだったに違いありません。
帰国後の日本への適応も相当に苦労したんじゃないかと思います。
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我が家の人間が海外に移り住むことに対して寛大なのは、どうもこの戸田得志郎の影響ではないかという気がしてなりません。

津原さんのイラスト作業はそんなわけで思わぬところで中断してしまいましたが、また一段と感慨深く製作に励みたいと思います。
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# by dersuebeppi | 2007-12-01 06:18

近況 

今年はいつまで経っても暖かいから大丈夫だと思っていたのに、やっぱり風邪をひいてしまいました。

ここ数ヶ月持病の椎間板ヘルニアもまた痛みを醸すようになってきたこともあり、体力改善に良いんじゃないかと思って日本から取り寄せたビリーズ・ブートキャンプを(2日間だけ)頑張ったんですけど、はっきり言ってあれで逆に虚弱になったような気さえします。
2日間だけ、ってのがダメなんでしょうか。
でも腰痛ももっとひどくなった気もするし。
これはもしかして既にちょっと体力付いてる人がやるべき運動なんじゃないかと思いました。
私みたいに運動不足が凝り固まったような人間がいきなりやるもんじゃないのかもしれません。

ぜんぜん足が上がってないのに、汗でびっしょりのランニングをまとった艶やかな顔のビリーが私を見つめ、「うん、いいね~ バッチリ!」みたいな心にも無いことを毎回繰り返して言ってくれるのにもハラ立ってくるし、周囲のキャンプ仲間の「ワアン、トゥー、スリー、フォゥ」の張り切った連帯的掛け声もなんだか聞いてるうちにいらだたしくなってくるし。
しかも家揺れるし。

ああ、あたしにはキャンプムリだと思いながらも高かったからやらなきゃ、とみみっちい「やる気」だけは維持しているのですが、風邪ひいたからまた当分ダメですね。

ところで年末はまたイタリアの実家です・・・
また豚の死体が台所に転がってるのかと思うと今から吐き戻しそうです。
しかもあのでかい家は冬の間家の中でもコートを着ていないといけないくらい寒い上、多分仕事も抱えていかねばならぬので、どんなことになるのか想像しただけでも気が重くなります。
老人介護もあるし。
ニワトリの世話もあるし。
おまけに今あの家ではいろいろ家族的問題が勃発していて、お姑さん超バッドなコンディションだし。
ああ。

ただし今年は母が久々に日本から来るそうなので、何か上手いもんを持ってきてもらおうかなあ~という思いがいくらかその懸念を和らげてくれています。

今私が一番食べたいものはセブンイレブンのおでんです。
特にはんぺん。
あとイクラの醤油付け・・・旬だな・・・
スナックどころだとイカの姿フライ。
甘系ならモンブラン。
想像するだけでたまらない気持ちになってきました・・・

モンブランはあまりの食べたさに冷凍の栗を1キロ潰して作ってみましたが、ぜんぜん違うものができました。 物凄いでんぷん質な粉吹き栗が完成し、試しに口に入れると咳込んで止まらなくなりました。
これは上手くアレンジすると栗きんとんとかになったりするんでしょうか。

おせち料理も日本に居る時はあんまり好きじゃなかったけど、今なら2段重ねのお重3個くらいいけそうです。
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# by dersuebeppi | 2007-11-27 19:30

甘いお菓子

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旦那は耳に聞こえてくる日本語の内容をほぼ7割は把握しますが、まだ悠長に喋れるわけではありません。
でも本人的には密かに頻度高く聞く言葉を実践的に使ってみようと思う時があるようで、たまに「お?よく知ってるね、そんな言葉」という具合に驚かされることもあります。そのたびに彼は「よし、またトライしてみよう」と思うらしく、度々「本日の覚えたて日本語」を思いがけない時に口にすることがあります。

今日息子を家に置いて買い物に出かけたのですが長時間になってしまい、留守番させている息子に何かお詫びのつもりで買って帰ろうと思ってお菓子屋さんに入りました。
すると旦那が「少しくらいの留守番でそんなの必要ないよ」と私を制してきました。

「君はちょっと彼に甘いお菓子すぎていると思うよ」
イタリア語での会話でしたが、「甘いお菓子すぎている」という部分は自慢風味の感じられる日本語でした。
「Sei troppo AMAI-OKASHI con lui! 」という具合です。
「え・・・?そんなに甘いお菓子買い与えるつもりないけど・・・」
「いや、お菓子に限らず、全面的にぼくらは彼を甘いお菓子過ぎてると思う」

彼はつまり「あまやかしすぎ」と言いたかったらしいです。
確かに「甘い菓子をやりすぎると性格がとろけてだらける」という解釈を語源と思い込めないこともないですけどね。
「甘やかす」
たしかに「甘いお菓子」に聞こえないこともありませんが、彼に言われたとおり短時間の留守番程度で甘い菓子を買うのはやめました。


先日も夕食のテーブルに上げられたコロモ付きの和風揚げ物を見た途端、何かを忙しく探す旦那。

「あれ、あれどこ行った? あのほら、こういうのにかけると美味しいやつだよ」
「え? レモン?」
「違う・・・えっとほら・・・あの関西の人がよく食べる・・・」それからしばらく考え込んで叫んだ言葉。
「洋服ソースだよ、洋服ソース!」
「ようふくソースって何よ!?」と息子と顔を見合わせる私。
「オタフクソースじゃないの?」と息子。

これにはちょっとショック受けてました。
我々家族だけにしか気付かれなかったのでいいですけど、「よし、この日本語はマスター!」と思い込んでいたものがかなり実際違う言葉だったってのはね・・・

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ちなみに「コロモに掛けて洋服みたいにするから」洋服ソースだと思っていたそうです。

新しい言語を覚えると、これでいいと思っていた言葉が大いに違っていたりすることがありますが、日本語は彼らにとってきっともっと複雑なものに違いありません。

でもここまで聞き取れるのだから、是非これにめげず頑張って習得してもらいたいものです。
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# by dersuebeppi | 2007-11-18 00:05

漫画家ヤマザキマリのブログ。連絡先等はプロフィール欄をご覧下さい


by Thermari
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