ここ数日間のいろいろ

と言っても旦那が帰ってきていたあの怒涛の一週間程ではありませんが・・・・

*旦那、凄く辛そうにシカゴへ帰る。
*旦那の両親がまたもはるばるイギリスまで60年前の中古車を購入に行き、帰りにドイツの田舎で壊れてえらい目にあう
*お迎えに住んでいるJさんのご好意でポルトガル国立バレエ団の「Coppelia」を見に行く
*日本から送られてきた「おくりびと」を見てナイアガラ並に泣く
*ご近所のOさんが日本で放映された歌手ジェロのドキュメンタリーを見せてくれて、また泣く
*漫画のネームが1日2枚以上仕上げられない
*今日から友達家族Bさんの暮らすパリへ行く

舅、ほんとに最近やばいです。
自分の仕事は完全に後回しになってます。
もうあの創作バイクでどうこうする意欲はもう消えてしまったのだろうか・・・・
イギリスまでこんな車を買いに行くという恐ろしいエネルギーはあるくせに・・・

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しかも帰りに3度程故障し、そのうちの一回はドイツの森の中だったそうです。
姑は「もうこれで人生も終わった」と思ったそうですが、親切な森の樵に助けられて(いや、まあ、近所に住んでる人)なんとかイタリアまで予定から一週間遅れてで帰ってこれたので何より。
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こでれあの家の意味不明な中古車は4台になりました~☆
いいんだろうか・・・
まあ畑といくばくかの家畜がいるので強気でいられるのは分かりますが。


それから「Coppelia」は面白かったです。バレエはたまに見るといいもんですね。
テレプシコーラを読みまくったせいで技術に少なからず知識があったおかげもあり、今まで以上に楽しめたような気もします。日本の漫画って凄いよなあ、のだめのクラシックにしてもスポーツにしてもこうやって一つの文化世界を一般大衆に浸透させるって、他の国ではないことですから・・・

という観点で考えると、「おくりびと」を見て納棺師になろうって思う人とかもいたんじゃないでしょうかね。
チェロを奏でる事と納棺をする感性がマッチングするというあの雰囲気、なかなかなもんだと思いました。
シカゴの旦那に欧米版サイトを見せたら「・・・・あんたの漫画もそうだけど、日本のセンチメンタリズムって物凄いものがあるよね・・・・」と言われました。西洋合理主義を徹底する、しかも学者の固まった頭を持つ旦那には判るまい。
いわばね、ギリシャ悲劇の概念と同じですよ。
泣いて精神を浄化させ、国民の精神バランスを保つ。
しかもこれは悲劇ではなく、可笑しさも織り込まれているのでホノボノ効果さえ演出されてるわけで。ギリシャ悲劇よりも見た後の気持ちはさわやかなわけですよ。
という薀蓄を垂れてみるが「自分はそういう映画はあまり」と答える旦那。
まあいい。いづれ強制的に見せよう。

というか、私はとにかく山崎勉に目が釘付けでした。
山崎勉、最高。


そんなわけで1日2枚しか進まないネームを一端中断してフランス行ってきます。
ルーブルで古代ローマのセクション見てこよう。そうすればもっとじゃんじゃんネームも進むかも・・・

それではまた。
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# by dersuebeppi | 2009-04-02 17:13

休火山噴火 (長文)

ここ一週間内での出来事

*近所に住むCaldoverdeさん(日本人で時々私のアシスタントをなさってくれるポルトガル食文化エキスパート)がきっかけとなって、とある日本からのお客様達と夜半まで食事会
*講談社KISSの原稿42Pの仕上げ
*ぶんか社6Pショート漫画の仕上げ
*シカゴから旦那10日の予定で帰宅
*旦那風邪で発熱、寝込む
*風邪の治りきらない旦那と再びその日本からのお客様達とお食事会
*レンタカーを借りてアレンテージョ地方へ黒豚を食べに遠出
*リスボンからそう離れていないところにあるヨーロッパ最大級のアウトレットモール「Free Port」へ行って買い物祭り

・・・・・

なんていうのか、それまでの単調な引きこもり漫画家生活のリズムが完全に崩れ、今も時差ボケにでもなったかのような筋肉の妙な弛緩、疲労感がカラダと脳味噌を支配しています・・・・

漫画の仕上げはいいとして、その後の「とある日本からのお客様」との出会い、これで私の「自分の中に沸くエネルギーは漫画に全て集約して爆発させる」というセオリーが吹っ飛んでしまいました。

この「とあるお客様」は日本では恐らく知らない人は居ないと思われる、日本伝統芸能の第一人者の方でして、ハワイからのお仲間とご一緒に世界一周旅行の途中でリスボンにお立ち寄られたのでした。
私は早くから日本を出てしまったせいで日本の芸能事情などに大変疎く、それもあって何も深い事を考えずにふらふらとこの方達とご一緒させてもらったわけですが・・・・

私は漫画という創作物に自分のエネルギーを託すわけですが、このお方は舞台で生きておられるからなのか、普通にしていても表情や声やしぐさなど、体全体が表現手段となってエネルギーが放出されており、私もその相乗効果で普段話す意欲のなかなか涌かない自分のわざとらしいほどドラマチックな過去の事まで引っ張り出さないと、どうにも気が治まらぬ過剰なテンションの分泌液が脳内で大噴出し、収集の付かないことになってしまいました。

私をそこまでさせた一番大きいきっかけ、それは私の人生の師匠であるガルシア・マルケスの「百年の孤独」をなんと彼も現在読書中だった、ってことです。
これで私の中の休火山が爆発したわけですよ。

思えば子供を生んだ直後の8年間、日本に居たときに私は数足の草鞋的生活をしていたのですが、大学で教えるにせよ、テレビで料理したりレポーターするにせよ、とにかく1日数十人の人間に会うのが当たり前な毎日だったわけです。
人と接することで私は自分の体を張って自分の思うこと、考えることを表現することに全力を費やしていたために、肝心の漫画は全く芳しい作品を埋めぬままという状況でした。

リスボンに来てからはそれが完全逆転。
ヘタしたら今日はうちの家族以外誰にも会ってない、という日もざらな毎日、お陰で暮らしの手帖が本棚に並び古代ローマの復元図や行程の肖像画を飾りたてた自分の世界を保持できる仕事部屋に閉じこもって漫画という創作手段に表現したいものを集約させられてたわけですね。

それがこの「とある方」の莫大な人間エネルギーを浴びて、かつて自らが表現手段だった自分が一気に蘇ってしまったというのか・・・


そうかと思うと方やシカゴから超ハードなPhdプログラムをこなして遣って来た旦那は疲労困憊オーラが出まくっており、付いた翌日から発熱。
「シカゴに帰りたくないよう・・・シカゴはもういやだ・・・・でも帰らなきゃキャリアが・・・・不景気だから選択肢はないし・・・」という切迫したうわごとを繰り返しまくり。
居間で冷えピタをおでこに貼り付けながら、仕方なくテレビでイタリアの番組を見続けていた彼ですが、イタリア腐敗政治特集番組ばかりやっていたお陰でタダでさえ熱がある彼の精神的コンディションは最悪。
「イタリアって最悪だわ・・・俺やっぱりイタリア嫌い・・・ベルルスコーニ最悪・・・・こんな犯罪者ばかりの国どうにかなってしまえ」という言葉がうわごとに加わり家の中の空気はどんより濁りまくり。

そんな中3日ほどリスボン郊外でゴルフ三昧された「とあるお方」の御一行と「明日帰る前にシカゴ帰りのご主人もご一緒に」とまたお声がかかり、Caldoverdeさんと一緒に再びリスボン近郊にある和食レストランへ。
旦那も「そんなマリが絶賛するほど面白くて楽しくて素晴らしい方なら是非お会いしたい」というので熱さましのアスピリンを飲んで気合を入れて行ったはいいのですが・・・・・

この日本のお客様達は大のイタリア贔屓。
私も前回彼らとイタリアのおかしい話ばかりで盛り上がっていたので、またその続きになるような話でもできたらいいのにな、なんて期待してました。
で、その伝統芸能のお方も楽しそうに「僕ね、イタリア大好きで。今日もほら、イタリアの服を着てきたんだよ」とわざわざうちの旦那に笑顔で披露してくださったんですね。
そのまま前回の続きにもなるイタリアの楽しいお話に話題を移行させていくには絶妙なきっかけとタイミング。

しかしうちの旦那は周辺の「イタリア大好き」盛り上がりの空気を一切読まず、いえ、読めず、

「あ、僕、イタリアきらいですから」

と一言。

はははは・・・・というその場を取り繕うなんともいえない乾いた焦り笑いが響きます。
ははははは・・・・


それでも何とか楽しく過ごせた一夜ではあったのですが、この世界屈指のガリベン大学シカゴ大学でさらにガリベンに磨きをかけているうちの旦那、まあたまたま風邪も引いてたし、その日も丸一日「イタリア腐敗政治・赤い旅団モーロ氏殺害からベルルスコーニに至るまで」という番組を見まくっていたその煽りもあるのでしょうが。

まあ、でももともとクソ真面目だし、場を読まなくても別に支障のない仕事してるわけですしね。

落ち込むそんな彼を慰めてあげようって事で昨日ポルトガルの首相が賄賂で5000万だか受け取って建設したっていうアウトレットモールへ連れて行き、気に入りのイタリアの靴(Valle Verdeという大変履き心地もよくてデザインもそこその靴、店で150ユーロがここでは一速25ユーロ)を買い、それでやっと気を取り戻してくれました。

で、私もなんだかいろんなものを買ってしまい、買い物袋を両手に抱えて得した気分で心から喜んで笑っていたらいきなり

「君さ、大学時代はコミュニストだったんだよね? キューバでサトウキビ刈ったんだよね? 悪いけど今どこの角度から見ても完全な買い物好きな日本人にしか見えない。こんなに買い物袋ぶら下げて歩くなんてあまりに恥ずかしいよ」

場を読めない旦那との暮らしはいろいろ大変ですよ、ほんと。
私はもう慣れてきて別に何も感じなくなってますけどね、ええ。

ああ、長くなっちゃった・・・・ここまで読んでくださった方、貴重なお時間を奪ってしまってすみませんでした・・・
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# by dersuebeppi | 2009-03-23 21:20

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本日発売のコミックビーム4月号に、私の古代ローマ風呂漫画「Thermae Romae」の3話目が掲載されとります。

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私の風呂に対する熱い思いでいっぱいの仕上がりになっております。

考えてみたら、去年の夏に日本へ行ったときから風呂桶に浸かってないなあ・・・ははは・・・
不動産屋に家を転売したいなら風呂桶は設置しない方がいい、ってアドバイスされたんですけど、まずこの家自体が古いので床があんまり確かじゃないってことが大きな理由らしいです。
辛いです。

日本に帰ったら1日3回くらい風呂に入って過ごそう。その日までなんとか頑張ろう。

是非ご覧下さい。
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# by dersuebeppi | 2009-03-13 17:32

春真っ只中

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春っていっても、日中はもう24、5度で外に出かけると汗ばむ位です。
ヨーロッパの北側から来てる観光客はもうみんな半袖姿で歩いてますね・・・ああ、もちろん短パンも。

仕事をしようと思って窓を開けると、この暖かい太陽熱にねっされた暖かい空気に海の匂いがちょっと混じったやつが家の中に入り込んできます。
そうすると、仕事をする集中力が拡散して、全く全てに対するやる気がなくなり、気がつくとふらふらと外を歩いています。

外はそして、私と同じ気分に囚われているであろう老人達で溢れています。
私の仕事部屋の本棚に湧き出したアリん子のような、老人の湧きだしっぷり。
なんだか分かり易過ぎて素晴らしいわ、ポルトガルの老人達。

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とりあえず昨日は申し訳ないと思いながらもアリ大抹殺。
だって本の間とかにまで入り込んでるんですよ・・・
っていうか、今作業中の原稿用紙の上が通路になってるし・・・その上で触覚触れ合わせてコンタクト取ったりしてるし・・・
ごめん、アリ。ほんとにゴメン。

春です。ほんとにもう。
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# by dersuebeppi | 2009-03-11 22:45
すみません、あまりに撮り過ぎたのでアップさせてもらいます。
べっぴんさんも良いけど、やっぱ猫っすよ・・・
こいつが居ない人生なんて・・・

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仕事机の上にこんなふうに居られると仕事になりません・・・
前足後ろ足の使い方が絶妙です。
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# by dersuebeppi | 2009-03-04 06:50
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仕事はしなきゃだし、飯炊きはしなきゃだし、家はホコリだらけだし。

荒んだ気持ちでとりあえず空の冷蔵庫に何か入れる目的で外に出たわたくし。
厳しい顔でスーパー目指して歩いていたら前から来た東洋人の女の子にいきなり笑顔で「Ola!(こんにちは)」って声を掛けられました。
びっくりしつつも私も引きつり笑顔で山姥の様な髪を振り乱して振り返り、「お、おら・・・」と答え返したのですが、やはりそれは知り合いでも何でもない人です。

髪はショートカットで大きな目、オレンジのショートコートに踝丈のパンツ、はだしにスニーカー(一瞬振り返っただけでここまでチェックする私の嫌らしさ)。移民というよりは、そのこじゃれ感からどう見てもポルトガルに何かを目的で暮らしている雰囲気。

ああ、かわいかった・・・

彼女は私を誰かと勘違いしたのかもしれませんが、とにかく知らない人でもああいう可愛くさわやかな挨拶をされると、こんなに1日絶好調な気分になれるもんなんですね!?
まあ、彼女がかわいらしかった、ってこともポイントでかかったと思うのですが・・・



ところでかわいらしい人(美人)に遭遇と言えば・・・

去年の冬、仕事で日本にひとりで一時帰国した時のこと。

シャルル・ドゴール空港で東京行きに乗り換える為にパスポート検査場へ足を運んでいると、これまた正面から一人で歩いてきた女性と列を譲りあわねばならない状況になりました。

しかし私は正面から歩いてきたその東洋系女性のあまりの可憐さにちょっと度肝を抜かされ、おっさんみたいに片腕を差し出し、問答無用にその人に場所を譲っていたのでありました。

身長は高いけど高すぎず。
スラリとしているけどモデルみたいなガリ痩せではなく。
肌は透明なほど白く、場所を譲って顔を赤らめているおっさんの私に対してさりげなく軽く口元で笑んで見せる、人前での対応のプロっぷり。
そんなこともう慣れ過ぎて、いちいち大げさに礼なんて示さなそうなお高いオーラ。
それを見て、ああ、絶対この人芸能人か何かだな、と悟った私。

でっかいDiorのバック(バッタもんじゃない。推定20万)にはなんだかぱんぱんにモノが押し込まれているけど、さらさらのストレートヘアーの彼女には決して重たくも無さそう。
旅慣れしている印なのか細身のジャージを着ているけど、素材的に見てもどっかのブランドのものに違いなく、ブロンズ色のレザースニーカーにはグッチのロゴ。
ブランドに固められているので日本の人かと思っていたのですが、それが違ったのです。

パスポートコントロールを経て手荷物検査で引っかかった彼女にそこで働いていた全ての警備員達がへらへら笑って寄って集っています。みんな顔がアホみたいにでれでれになっています。
良く聞き取れなかったのですが「どこから来たのか」という質問に「カザフスタン」。

え!?カザフスタンってあなた、ぼ、ボラットの・・・ メッシュパンツのボラットの・・・

いや、まて。
この人はカザフスタンできっと何か用事があったのでしょう。いくら美人産出国の一つとはいえ、こんな人悪いけどカザフスタンには居ないはず。しかも顔も思い切り東洋人だし・・・

その後私は再び彼女をターミナル内の待合室で見かけたのですが、私の便の前に上海行きがあって、それを待つ中国人でごったがえす場所からかなりはなれたその場所で、携帯を見つめてしきりにメールを打っていました。
しばらくすると、彼女の前を通り過ぎた中国人の何人かが、にたにた笑いながら何度も行ったり来たりしています。それに気づいてまた離れたところに席替え(私が座っていたところから全てこの様子が眺められた)。まもなく上海行きの搭乗案内が入って彼女はさっさと行ってしまったのですが・・・

あれは、絶対に只者ではない。と私は思いました。

でもなんでカザフスタン!?
カメラで隠し撮りしておけばよかった・・・・

ところでこの女優さんって昨年カザフスタン映画祭で女優賞かなんか撮ったらしいんですけど、私の記憶がどうかしていなければ、これくらい綺麗な人でした。
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          (中国のトップ女優、ファン・ビンビン)

これくらい色がしろくて、こんな目つきで、こんな感じのオーラ・・・
こうして見ていると、どうもやはりこの人そのものだったような気がしないでもありません。
見れば見るほどこの人だったんじゃないかと思えてならないのです。
違うかもしれませんけど、どうでもいいです。とにかく凄かった。

長くなってしまいましたが、昨年の稀有的美人遭遇、いつまで経っても忘れられないので日記として整理させて頂きました。

美人って、なんていうか、いいもんですね。
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# by dersuebeppi | 2009-03-03 02:37

クラス会考

春のせいかしりませんけど、最近みっちりと濃い夢を見ます。

ベットから出て慌しく動き始めた時点でたいてい寝起きで覚えていた夢の事も考えなくなるのが常なのですが、なんだかここ最近は脳裏に焼き付けられた映像が色褪せず、ヘタすると数日その夢のことなどを考えていたりすることもあるわけです。

良い夢もあれば、恐怖な夢もあり。恐怖な夢の場合は一端目が覚めたりしますね。心臓も激しく鼓動を打っててびっくりします。
でも場合によってはそういう切迫した状況になると夢の中で「待て、これは夢なのかもしれないではないか、そうきっと夢だからちょっと目覚めよう」と冷静に判断する時もあります。
逆に良い夢の場合は目が覚めてからがっくり落胆することもありますが。

ちなみに昨日の夢は昨年8月にやった中学校のクラス会のメンバーがいろいろ登場する夢でした。
カテゴリー的に分類すると、物凄く現実味を帯びた内容で、ファンタジックな演出一切なし。
なぜなら実際にクラス会をしたときに出会ったあの中年の面持ちに変貌したクラスメート自体が既に軽くファンタジーだったからでしょう。

それにしてもクラス会ってのは不思議なもんですよね。
自分の嗜好でセレクトして集まった気の会う仲間というわけでもない集合なのに、数年その面子で一緒に過ごしてしまうと妙な仲間意識みたいなのが自分の意志とは関係なく生まれていた、それを実感させられるミーティングというか・・・

自分と決して話が合うわけじゃなくても、決して何を分かち合えるわけじゃなくても、必然的に数年間毎日一緒に過ごしている為に、否が応でもそれぞれの長所をそれなりに見出して、長く一緒にやっていく術を無意識のうちに身につける。中学生のその頃ってのは、いわば人生で初めて自らの懐をどこまで広げられるかってのを自覚もせずに試みていた時期だったのかもしれません。

振り返れば中学生の3年間なんてのは「人生で一番ダサい時期」(By中学生日記/Q.Q.B作 青林工藝舎)なんですけど、同時に初めてそれぞれの人間の持つべく寛容性を一生懸命に育ませていた時期でもあったかもしれないと思います。

(ちなみに、私はこの中学校社会で周辺の女子と円滑にやっていくにはとりあえず「たのきんトリオ」の誰かを好きにならねばならぬと思い、とりあえず皆の人気が若干少なめな「よっちゃん」を選択しましたが、
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長持ちせず、結局本当に好きなのは佐野元春だと公言したらしく、
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卒業するときのサイン帳には「佐野マリ様」と書き記してくれる人で埋まっていました)

・・・考えてみたら高校生になるともう完全に自我が確率化して、無理に自分と話の合わない人と友達になろうとはしませんでしたからね・・・というか、私の場合はクラスや学校どころか暮らしている国自体変えないと我慢できなくなってしまって外に飛び出してしまいましたし。人とどう接するなんてことより、自己に関する哲学世界でいっぱいいっぱいになっていたというか。

そう思うと実に奇怪で面白い時期だったな・・・というのが私の中学校の思い出です。多分一生忘れることはないでしょうね、こうして夢にも見るくらいなんで。

ちなみに私はこんな事は日本人くらいしかしないんじゃないかと思っていたら、うちの旦那も数年前に地元でクラス会もどきみたいなのに参加してましたから(嫌々行きましたが帰ってきたときは嬉しそうでした)、イタリアでもやってんですね。中学校や高校の同窓会。
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# by dersuebeppi | 2009-02-27 18:30

集合体の写真

New York Timesのフォトギャラリーより拝借・・・

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これはアカデミー賞でスラムドッグの受賞を心待ちにしているムンバイのスラムの人々の集まり

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イスラエル北部に集まった渡り鳥、灰色鶴の集まり

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明日、最終日を迎えるリオのカーニバルの参加者の集まり

あんまり集まりって好きじゃないんですけど、上のような集まりはなんだか良いものです。
あ、でも灰色鶴の集まりの中には混じりたくないな・・・
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# by dersuebeppi | 2009-02-25 07:40

気持ち的な景気は良し

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お金も無く、有名な俳優も起用せず、なのにオスカー8冠。
しかも映画に出ていたキャストが全員ステージに上がったんじゃないかと思われるほどの大人数。
映画の舞台になったムンバイでは、まさに映画のラストと同じく、スラムの人たちもみんなこの映画が賞を獲得する瞬間を期待してテレビにしがみついていたという有様。
本当にタイトル通り「ミリオネア」(お金よりも価値のある)な高揚感を世界の沢山の人に感じさせてくれる映画だと思います。

よかった。

一昨日もうちの息子連れてもう一度この映画を見に行ってしまった私ですが、今はどんな美味いモノよりも元気のモトとしては効果的みたいです。

それにしても、授賞式においても映画の中で威圧的なクイズ番組の司会者を務めていたアニル・カプールの存在感がでか過ぎ。この写真では、まるで彼が主演男優賞を獲得したような様子に見えます。

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インドの俳優達って・・・なんだかみんな強烈な香辛料みたいで凄い。

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今回のアカデミー賞はまあ、ショーン・ペンにしてもケイト・ウィンスレットにしても、あと見て無いけど見てみたい日本の「おくりびと」もいろんなところで評価されてきてたものだから納得行きますが、助演女優賞のペネロペは・・・・

この映画見ましたけど、単に「普段のペネロペ」がそのまま表現されているだけに感じられて、演じている感じが全然しませんでした。
アーティストでアバンギャルドなスペイン女のステレオタイプ。

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そこが自然で良い、という捉え方もできるのでしょうが、私にとってはただただ見てて生々しくて、「私が男だったら、人生で最も避けたい女だな・・・」という実感ばかりを募らせられました。
あれでいいのか・・・よくわからん・・・・
まあいいや。

とにかくいろいろめでたいのは良いことです!
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# by dersuebeppi | 2009-02-23 19:12
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インドのムンバイを舞台にした社会的な題材のくせにむちゃくちゃ大河娯楽な作品。

久々に「うおお~っ、見たあーっ!」というパンチの効いた充足感に満たされて映画館を出ると、そこが今までスクリーンで見ていたムンバイなんじゃないか?と錯覚させられるくらい、とにかくその映像とスピード感が醸す脳味噌へのイメージ浸透力効果は強烈。

どんなに世の中が不景気でも、お金が無くて世知辛くても、生きる楽しみも何も感じられなくなったとしても、この映画さえ見れば「あ、もう全然大丈夫だ」ってすっきりさっぱり開き直れる感じになると思います。
ほんっとにこんな鬱屈した時代にここまで鮮烈でエネルギッシュな映画を作ったダニー・ボイルは偉い!!

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タイトルからお察しできる通り、インドのスラム育ち(とはいえ最初は美しく強いお母さんがいるのですが・・・)の2人の小さな兄弟が、「人間を野放しにするとこういう現象が起こります」みたいな、不条理で汚くて希望もへったくれもありゃしないようなインドの現実社会の中で、物凄い生命力を駆使して生き延びていき、まあいろいろあって2人ともとりあえず立派(一人は現実社会に浸透し尽くすことで、もう一人はたった一つの希望を胸に正しくあることで)な青年になり、最終的には主人公の弟のほうがテレビのクイズ番組に出演、勉強よりもはるかに価値のある自分の凄まじき経験に満ち満ちた過去のお陰でクイズには全問正解、疑惑を掛けられつつも、最終的にはその名の通り「ミリオネア」を手にするという筋なのですが・・・

ミリオネアっていったらそらもう、億万長者の額ですよ。
でも不思議なことに、この映画を見ていくうちに、そんなお金の価値はこの青年の人生や、彼の抱いてきた一つの希望に比べたら、なんだかちっとも価値の無いものに感じられてしまうのです。言いすぎかもしれませんが、お金の価値なんてハナクソみたいなものにしか思えなくなります。

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そして実際映画の中で彼がなぜこのクイズ番組に出ようと思ったかという詰問に答えるシーンがあるのですが、そこでじーーーんとさせられた私。

お金なんてなくてもどうにか生きていける。
だけどお金では買えないかけがえの無いもの、それがしっかりと映画の中では揺ぎ無い芯になっていて、物凄く説得力がありました。演出がわざとらしくないから尚更でしょうね。

こういう映画、子供も中学生以上は見ておいた方がいいかもしれませんね。
今の日本とはある意味、何兆光年もかけ離れてる場所と人々のお話みたいに感じられますが。
それにしても、どうしてこう、子供を甘やかさない国や環境の子供って染み入るほど可愛いのでしょうか。もう見ててたまらないものがありました。
子供の生命力って凄いなあ。逞しくてなんて美しいんでしょうか。
自分の大好きなボリウッドスターがそばに来ているのが分かっているのに、ぼっとんトイレにと込められた主人公がぼっとんトイレに飛び込んでそこから外へ這い出て、いつも胸に折りたたんで大事にしまってあったスターのブロマイドを片手にサインを求めに疾走するシーン、最高でした。うんちまみれでもこんなに可愛くて、純粋で。ああ。

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仕事のノルマは達成してないけど、そんなちっぽけなことはもう気にならなくなりそうな私です(・・・今だけそう思うこと自分に許す)。
皆様も日本で公開されたら是非ご覧になってくださいね!!

これがアカデミー最優秀映画賞取ったらアカデミー賞もちょっとは信用することにします。
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# by dersuebeppi | 2009-02-18 03:59

漫画家ヤマザキマリのブログ。連絡先等はプロフィール欄をご覧下さい


by Thermari
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