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対人恐怖

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うちの前の四つ角ってほんとに事故多過ぎ!!
一週間に一回は「ガシャン」って鈍い音がして、窓から覗くとこういうことに・・・
引っ越してきてから4年以上も全く改善の余地なし。

ところで・・・

家で仕事をし続けていると、だんだん人に会うのが怖くなります。

外に買い物に出なければならないときも「ああ、どうぞ知合いに会いませんように・・・」と思いながら歩く私。
しかもここ数週間は病気だったこともあって、この人と接する緊張感ってのもピークに達してました。
なので夕べ行われたこのアパートの住民会議には、腹痛を伴うほどの思いで出席せねばなりませんでした。
明るく暢気で楽しいポルトガル人達のテンションに合わせて笑おうとすると、頬の表情筋が強張ってしかたありません。

かつて日本でテレビや大学の仕事をしていた時は、ヘタすると1日で何百人という単位の人に会っていても平気だったのに、いや、平気どころか人が沢山いるということに煽られて常にハイな状態になれて、そういう環境に居心地の良さすら感じていた私がこんな風になるなんて。

いや、でも待て。
確かイタリア留学中も考えてみたら私は会う人全てに「感じ悪い人」と思わせるようなオーラをまとった引きこもりだった。

どっちが本当の私かというと、結果的にはどっちもなんだろうけど、しっくり行くのはやっぱり「なるべく一人でいたい」と思っている自分の方かもしれません。

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同業者R.Mさんも今まさに私と同じ心境で、まあ「漫画」っていう手段に自分の表現の術を全て託すようになると、こんな風にバランス悪くなるのはもう仕方ないことかもしれないね、と言う話を昨日スカイプでしました。漫画家にもいろんなタイプがいるけど、まあ通常はみんな社会という現実世界ではなく、自分の脳味噌が生み出す想像世界の生き物になってまうんじゃないかと。

「でもほら、マリちゃんところは中学生の息子もいるし、どこかで現実と繋がってるじゃない」と彼女は言いますが、うちの息子は「ただいま~」と家に帰ってきて、「これおもしろいんだよねえ~!また読んじゃおう」と花輪和一氏の「刑務所の中」を読みふけるようなやからです。
旦那も世の中に決して無くても誰も困らないことを研究してお金貰ってる人だし。

世知辛い世の中でこんな非現実的な家族が生きていけてるのも不思議な話だなあ・・・・

さ、そろそろ仕事始めるか。
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by dersuebeppi | 2009-01-30 20:58

アップダイク

風邪は全快、とまではいきませんが、抗生物質のお陰で喉の腫れは引いて夜に熱も出なくなりました。
だけど鼻は詰まってるし咳は絶え間なく出るしで、まだ仕事に集中できるような気分にならず、結局毎日オバマの自伝読んだりテレビでドキュメンタリー番組やらニュースやら浴びるように見て過ごしています。
リスボン、しかもここのところ毎日天気悪いし。
この時期に旅行に来てる人は気の毒だな・・・

ところで、私の好きな作家の一人であるジョン・アップダイク氏がお亡くなりになってしまいました。

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肺がんだったそうですが・・・
また一人今の時代の貴重な文学者が消えてしまったのは残念です。
アップダイクの「ウサギ」シリーズに熱中したのは20歳頃で、そのとき彼は50代だったわけですが、生意気な20代にとって50代の作家の感性は確実に自分とも共通するものであり、同属なのだと信じ込める対象でもありました。
しかし、それから時間は確実に経っているわけですよね。20年以上も。
あーあ。

人生折り返しを多分もう回っているであろう自分の事を、病気の間中ちょっと考えてみたりしていたのですが、人生って長いようで実はあっという間なんだな、ってことをこういう人たちの死に接するたびに痛感させられます。

折り返し地点を回ったとはいえ、まだやりたいことテンコ盛りにあるからなあ。やっぱり体だけは丈夫にしとかんと駄目ですね。
とりあえず今年のモットーは「添加物の入った食べ物を抑制する」って感じにしとこうかしら。

ところでアップダイクは「ブラジル」という作品を書いているんですが、オバマの自叙伝を読んでいるとどうもこの本の濃密な内容が思い出されてきてなりません。

ああ、なんかこう、もっとさわやかな時間の使い方をしないと風邪も完全に改善しなさそうですね・・・
今の私、リスボンの鬱屈した天候と完全にシンクロして生きてます・・・
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by dersuebeppi | 2009-01-28 23:57

風邪がなおりません

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今、何かが私を癒せるのなら、多分この写真の白いモコモコの方でしょう。この方にこのわんこと同じことをしてもらいたい。松田さん、すてきな写真をありがとう。

それにしても今回のウィルスは一体何なんでしょうか・・・
イタリアの舅もこれと全く同じ症状で3週間苦しんだそうですが、彼の場合は予防接種をしっかりしていたにもかかわらず感染したのだそうです。
私の担当者Kさんのお嬢さんも同じく予防接種したにも関わらずインフルエンザA型にかかってしまったそうです。

なるときにはなるしかない。ってことですかね。

5日くらずーっと熱が下がらず、やっと一昨日くらいから微熱になったはいいのですが、咳と鼻水が半端じゃないです。

咳のせいで全く夜に眠れず、日中はふらふら。
鼻はかみすぎて鼻の周辺の皮膚がまるで紅白に出ていた森進一みたいにてらてら突っ張って、針で刺したら「パン」って裂けそうな感じです。

人生も折り返しを過ぎると病気への抵抗力がすっかりやばいことになってて、いろいろ反省してます・・・ もっと運動をするべきなのかと。

でも昨日原稿一本送ることができました。
今日も明日データで送るやつを頑張ります・・・

体調的にはほんっとに死んでますが気合入れるしかない。

一昨日はオバマがいよいよ米国の大統領になった日でございましたね。
何かがすぐに画期的に変化することは難しいかもしれませんが、とりあえずあの爺さんが去ってくれて、代わりに若い大統領になたのはいいなあ~とテレビの式典を見ながら実感しました。
式典自体はなんか、なんていうか、宗教関係者の出番がけっこうあって「?」みたいな感じもしましたが。
ヨーヨー・マやイーザック・パールマンのクァルテットも豪華だったなあ。ジョン・ウィリアムスがこの日の為に作曲したって言ってましたが・・・凄いわ。

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オバマの大統領就任の調印でサインする時にちらっと見えた時計がかっちょいいです。

あ、この人左利きだ・・・
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by dersuebeppi | 2009-01-22 17:26

旦那の見解 

息子に風邪うつされました。

まずは喉を暖めればいいはずだと思い、使い捨てカイロを日本手ぬぐいに貼り付けてそれを巻いて寝てみましたが、息苦しくなって何度も目が覚めてしまいました。
もうこれは不可抗力です。喉が痛くなった時点ではやる気満々だったのですが、今ではもうウィルスと戦う気力も失せてきました。
ただ来週締め切りが二つあるので、仕事をこのコンディションでしなければならんと思うと、それが辛いです。

ところで

さっきネットで見て知ったのですが、某国家擬人化漫画のアニメ放映が中止になったそうですね。
政治的背景が関わる国家の歴史や宗教ってのが、たとえどんなに深入りしない範囲であっても面白おかしいライトな表現で媒体されるってのは、きっと日本という国以外では通用し辛い可能性もある、ということを実感させられた一件ですが。

私はこの漫画を良く知らないのですが、ちょっと海外のネットで調べてみたら、漫画好き系のイタリア人たちの中には当然自分達の国のイメージを勝手に作り上げられてることに憤りを感じてる人もいれば(特にイタリアが弱弱しく泣き虫だという点)、「でも読んでみたい」と何気に好意的な人もいます。

歴史オタクで戦争モノに詳しい旦那に「昨今の日本にはこういう漫画があるのだけど」と促してみたらふーんと軽く受け流し、
「でも例えばうちの親戚でパルチザンで殺された人もいる。そういう家族をもつイタリア人は沢山いる。もっといろいろ調べたほうがいい。読み手がこれはフィクションなんだと思ってライトに読む程度ならいいけど、そうじゃなくて、それで世界の歴史や国家間の関係が把握できたと思い込んでしまうのなら問題だと思う」とのこと。

私もイタリア人という人種と接していると、たしかにあそこで表現されているあまりにもステレオタイプなイタリアには疑問を感じたりもするのですが、そこまで深入りする必要もないのかとも思います。結局は漫画という世界の中での作り話ですからね。

でも確かにこういった内容はデリケートに扱わないといけないだろうな、とは思いました。
漫画文化が浸透しきってる日本国内ならいいけど、そうじゃない国から視線をむけられるとどうなんだろう、と。

そしてやはり今回のような顛末に。

それともう一つ、実は旦那が激しく押し黙ってしまった漫画があります。
「これはバチカンからいづれ何か言われる時が来るのじゃないだろうか」と。

うちの旦那はバリバリの無心論者ですし、職業的にも宗教というものを物凄く客観的に捉えている人ですが、私がゲラゲラ笑いながら読んでいたその本に対して「悪いけど、自分はこの漫画は全く笑えない」とのこと。

単なる漫画であっても、政治や宗教といったあまりに質量の重たい事柄を「まあ、おもしろおかしく要約するとこんな感じ」という風にも解釈できる浅はかな媒体に乗せ、それが日本という国でウケているというのはどうなんか、ということらしいです。

私も前に同人誌で暮らしていたイスラム圏で売られている下着を題材にしてギャグ漫画を描いたことがありましたが、あれも良く考えると日本人という私が捕らえた「おもしろさ」であって、あの国の人にとっては極当たり前の日常の光景だったのかもしれないと思うと、こういう内容の漫画を描くときは結構気を張らないといけないなあと思いました。

古代ローマ人漫画も歴史の描写に関しては誤りや膨張が無いように物凄く気を使い、さまざまな文献を読んで調べながら描いてるつもりなのですが、まだ政治的背景や宗教が絡んでいないだけやりやすいです。


喉に使い捨てカイロを巻きながら、37度7分の熱でそんなことを仕事前に考えている今朝のわたくしです。
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by dersuebeppi | 2009-01-16 18:45
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ポルトガルの年越しは地味でした。
旦那と息子と近所のAさんと、レゴで変な人間(上の蛇使いやヤバ気なハリーポッターなど)作って遊んでいるうちに2009年になりました。やはり年越し感ってのは日本じゃなきゃピンとこないっていうか・・・
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ところで我が家には日本から一ヶ月に一度ほど、日本のテレビ番組を録画したDVDが届きます。
かつてのイタリア語のお弟子さんの方が、4年間欠かさずそれを続けてくださっているのですが、本当に感謝でございます。
日本に居た頃のわたしはテレビに出るという仕事をしつつも、全くテレビを見ない人でありました。自分の出てる番組もディレクターさんが一応録画して渡してくださるのですが、はっきりいってあの仕事は自分が画面に出ているところを見たことがないからこそ、6年も7年も続けられたんだと思います・・・

まあ、その方がこちらに送って下さるDVDの番組は毎度いろいろなのですが、必ず入れてもらっているのが「水戸黄門」と「新日本紀行」、そして昨年までは「篤姫」、そしてミステリー物など。
「新日本紀行」は子供のころからも欠かさず見ていた大好きな番組なのですが、現代版になっても表層的に流動する日本の社会の底にある澱のようなものを感じられて、見ているとほっとします。日本全国のいろんな人々の人情や職人気質的な繊細な執着が垣間見えて、それを見ていると日本ってのは本来はこんなに魅力的なんだよな、と再確認できます。
これがなかったら、私の日本へ対する見解は刺々しくなる一方かと思われます。

そんな中、先日2008年度の「紅白歌合戦」と、「行く年来る年」が録画されたDVDが届きました。
やっぱり何はともあれこれを見ないと年越しした気分になれんというか。

いやあ、実は結構興奮して3回ほど見てしまいました・・・・知らない人か、凄く知ってる人か、その極端な出演者の入り混じりが刺激的過ぎて・・・
っていうか、NHKももう変に聴衆に媚びるのは止めて、司会者もほとんど出番はないけどベテランの年寄りのアナウンサーを使うとかして、あの年を重ねるSmapの面々をいちいち出すのはやめてもらいたいと思いました。
それが一番気になった部分です。何かある度にSmap。もういいよSmap。っていうか私、ぜんぜん好きでも何でもないので・・・

私が出演者の中で気になった人たちを上げて見ます。

男子;
布施明
水谷豊
ジェロ(会場の母を含む)
氷川きよし
森進一(顔の膚が薄皮みたいに張ってて怖かった)

女子;
Perfume

ジェロさんってのは初めて見ましたけど、おばあちゃんの顔をプリントしたシャツ、そして会場から号泣寸前で感極まって見つめるおっかさん。ほんっとに打たれました。
でもって頭のキャップにカタカナで「ジェロ」って書かれてるのを見て、なんだか切ないというか、いとおしい気持ちに見舞われました。

なんかこう、内在する美しい感情に対して正しく清い雰囲気を放ってる人ってのはいいもんだなあ。あたし、どんなに才能豊かでステキでもスカしてる野郎ってのが駄目なんですよ。中田英寿みたいなのとか。深い情緒感や清楚さが肌の上に露出しない男子は好みじゃないです。
基本的に1960年代くらいの男子が好きなんで、あの時代に共通する雰囲気を放ってる人にはハッとしますね。
だから氷川きよしも好きですねえ~ 今時礼儀正しく情緒豊か。謙虚。
布施明の朗々とした声とあの雰囲気も昔から好きだったけど、オリビア・ハッセーが惚れたのも分かるわ・・・
水谷豊はまあ昔のままだし。演技以外のことは本当に苦手なんだなあ、というあの粗忽さがたまらんですねえ。

私が思うに、堪え切れなかったきよしの涙とおばあちゃんプリントシャツで登場したジェロの涙、このあたりが白組の勝利に繋がったんではないかと。

で、女子は特にこれと言って印象に残ったのはなかったですね。
Perfumeを除いては。
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やっぱりYMOやらあの辺の音を感受性豊かな時期に聞いてきた私くらいの世代で、Perfumeいい!って言う人結構いるんじゃないですか!?
テクノは耳に付きますね・・・
プラスチックスだのジューシーフルーツだのを思い出してしまいます。今こうしてテクノやってくれると新鮮でいいなあ。

というわけで、すんません、ポルトガルで見た紅白の感想を述べてみました。

布施明のベストアルバムとPerfumeのアルバム買おうかどうか迷っている私です。

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by dersuebeppi | 2009-01-14 06:14
明けましておめでとうございます。
2009年がどうぞ皆様にとって幸せに満ちたりた一年でありますよに。

ハードワークホリデーを避けてポルトガルでまったりお正月を迎えられた私達ですが、旦那は今日の早朝4時に起きてシカゴへ帰ってゆきました。
ごくろうさんです。

年末からリスボンはずっと雨続きですが、気温は比較的暖かいままだったので、これから激寒の土地へ向かわねばならぬ旦那は相当にへこんでおりました。

でもそれよりも何よりも、あんなにアメリカの教育水準の高さを賞賛してかの地に赴いた彼が、今回の久々にリスボンゆっくり滞在で、今更この両国のギャップのでかさに相当のショックを受けていたのが興味深かったっす。

だってねえ。違いすぎるもの。いろんな意味で
180度かけ離れているといっても過言ではないでしょうよ。

というわけで、今回私と息子もかなりの面倒で腹立たしい様々な手続きを経てようやくアメリカへのビザを取得したのですが(この一件に携わったいろんなみなさま、本当にお騒がせいたしました)、はっきり言ってわれわれの渡米の予定は当分無くなりそうです。

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シカゴの激寒気候をはじめ本当に冗談じゃないほど深刻な治安問題、リスボンで私達がしているレベル(決して贅沢はしていない)の生活をアメリカでしようと思うとおそらく今の2倍の生活費は覚悟しなければならんだろうということ(半端じゃない保険料の支払いとか)、あと息子デルスの教育問題、そして何よりも今私と子供がクソ忙しくて家に帰るのは寝るだけという旦那のところへ身を寄せるのはどうよ!?という問題。

わたしにもしなければならぬ仕事があるのでこの辺はかなりシビアに考えてしまいます。
リスボンでの生活に慣れてすっかり安泰な日々を過ごしている今だからこそ、私はアホなネタの漫画も描けているんだという気がするわけです。
なもんで、アメリカ行ったら多分そういった意味でも仕事が今のような調子で続けられなくなるんじゃないかという懸念は避けられません。
行くならもっといろんな意味で条件が良くなってから、って感じですかねえ。

ま、何も確定ではないのですが、とりあえず旦那は「リスボンってほんっとほんっとににいいところだねええ~!世界で一番いいところだよう~!」と毎日目に涙を浮かべており、私達がここに暮らしているということを拠所にしてシカゴで頑張りたいと言い残して帰っていきました。

確かにここを完全撤退するのはなあ~
私も辛いわ。

というわけで哀愁と長閑さの街リスボンにはまだ当分暮らしそうです。

家族バラバラはきっついと言やあきっついですけど、まあ目線はもっと先に据えることにして。その分今年も仕事はじゃんじゃん頑張りたいと思います。

それではみなさま、今年もどうぞ宜しくお願いいたします!
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by dersuebeppi | 2009-01-02 22:11

漫画家ヤマザキマリのブログ。連絡先等はプロフィール欄をご覧下さい


by Thermari
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