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澁澤龍彦ふたたび

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澁澤龍彦が亡くなってからもう30年だそうです。

澁澤龍彦というひとを最初に知ったのは10代のころイタリアで読んだマンディアルグの翻訳だった、などという話を寄稿しておりますが、この本に執筆したことがきっかけでまさか巖谷國士氏とツイッターでコミュニケーションができるとは、なんたる展開。

高校時代から留学時代の初期にかけてはやたらとシュールレアリズムに嵌っていたのですが、アンドレ・ブルトンやアントナン・アルトーに傾倒しまくり(下の写真は留学直前マン・レイ撮影のアルトーを油絵にしたもの。この絵はこの後、まだ住む家も決まっていないイタリアまでわざわざ持っていった)、パゾリーニの「ソドムの市」から澁澤訳のサド公爵やらマンディアルグをその内容に動じる事無く毅然と読む、という背伸び感弾ける青春時代が脳味噌にフラッシュバックしてまいりました。恥ずかしい。なんて生意気な青春時代……

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もうすっかり大人だし、きっと別の解釈ができるようになっているはずだから、ぼちぼちまたあの時代の書物を読み直してみてもいいかもしれません…


文藝別冊 『澁澤龍彦ふたたび』

相方とり・みき氏も興味深い澁澤の見解を寄稿していらっしゃいます。
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by dersuebeppi | 2017-05-18 13:54
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更新されております:ヤマザキマリの地球のどこかでハッスル日記
『第124回「フランス新大統領に学ぶ『年上の妻を持てば男度も上がる!?』」

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by dersuebeppi | 2017-05-16 17:27

ピアノ



今回イタリアの家に帰ってきたら、部屋にサプライズが置いてあった。

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旦那と舅、姑の3人でお金を出し合って調達したそうです。

50歳の誕生日祝いということらしいですけど、「せっかく15年もやってたピアノ、忘れたらもったいないよ」と言われ、仕事の合間にぼちぼち弾いてます。

久々のピアノは、ショパンとかモーツアルトを弾くとレッスンの為に我武者らに練習していた辛い記憶が蘇ってきますが、楽器に付録で付いていた名曲集の譜面にエリック・サティのジムノペディがあったので弾いてみました。いい。
ユリイカの特集でトリビュートマンガを描かせて頂いたこともありますが、50歳になって奏でるのならサティですよ奥さん。

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by dersuebeppi | 2017-05-16 14:35

タツローくん

イタリアに持って帰って来たタツローくんクッキー缶
旦那の朝メシになっていた。
朝メシのBGMはギター1本によるナウシカのテーマ。
「このキャラクター好きなんだよね」
そういえばカレンダーも気に入っていたからな
(でもこのキャラクターが誰なのかはよく判っていないのだった。イタリア人でいえばPino DanieleやVasco Rossi的人気のあるミュージシャンとは言ってあるが...)

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by dersuebeppi | 2017-05-15 15:44
今朝、”母の日に贈る推薦図書”をおすすめするにあたってNHKの「あさイチ」に出演したわけですが、
なんとその直後、おすすめ本が全てアマゾンの上位ランキングに!
しかもどれも売り切れ状態。
又吉さんの新刊も田中圭一さんの鬱本も(多分今だけだろうけど)抜いたわよ!

....恐るべし、テレビの力。

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とにかく地球家族は絶対おすすめなので、手に入るような状態になったら是非、もう是非皆さんご覧下さい。
世界観を広めることは考え方も生き方もどーんと自由にさせてくれるもんですよ!


そして飲み友有働さんから控え室に届けられていたおにぎり。
こんなふうにさりげなく優しくされるとほろりとします。ありがとう有働さん。
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by dersuebeppi | 2017-05-12 13:49

本3冊

今自分の机の上に乗っている本3冊。
解説を書いた「混浴と日本史」とケラリーノ・サンドロヴィッチさんの“Gommi"(とり・みき氏から拝借中)とアラーキーの"愛しのチロ”。
猫を被写体にした写真集は撮影者の一匹の猫への溢れ止まない愛情が、そのまま実直に伝わってくるものが素晴らしい。
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by dersuebeppi | 2017-05-11 22:16
明日5月12日放送のNHK「あさイチ」で、母の日に贈るオススメの本を3冊ほど紹介します。
そのうちの一冊は谷口ジローさんのこちらの本。
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by dersuebeppi | 2017-05-11 22:14
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「テルマエ・ロマエ」は最終回を迎えた時、達成感と開放感に見舞われ、やれるだけのことはやったというすっきり感がありました。この漫画のヒットに絡んで様々なトラブルも併発したせいかもしれませんが、「登場人物ロスになるよ」という友人からの忠告のような現象は全く起らず、むしろ「テルマエ・ロマエのみなさん、さようなら!」という潔い思いしか残りませんでした。

しかし、この伝書スティーブ・ジョブズの漫画版はそれとは様子が違っています。
最終回を迎えたのに、1Pづつ進む度に感慨深い溜息が漏れ、この原作を、この人物を漫画化するに伴った大変さをひしひしと痛感しているのです。

原作では最後のほうで、ジョブズが自分のありのままのひととなりを容赦無く文章で表現してくれたであろうアイザックソンに「よかった」というシーンがあります。「でも読めばきっとイラつくから今は読まない」と。
私はこの漫画では、そんなアイザックソンが捉えた、要はジョブズが「読めばイラつくから読まない」ジョブズを描いてみたい思いがとにかく強くありました。
私はそれまでAppleに対する特別な思い入れがあったわけでもないし、むしろ子供がAppleストアに入り浸って小遣いをそこで使い果たして行く有様に呆れ、“カネで幸せを調達する免罪符”のようなこの会社のアメリカ的マーケティングに心底からハラを立てていた時期もありました。
ですが、エンジニアリングやビジネスという点にばかり焦点を当てるのではなく、このメチャクチャな人格のジョブズという人間自身を描いてみるのは面白いかもしれない、と思ったのです。

最初は断り、1年後に「やはりやります」と依頼に応じて、隔月で毎回40ページの連載を『ハツキス』という女性誌で始めました。女性誌での連載ということで、作品の登場人物の8割が男性で、ギークかビジネスマンのみ。連載紹介は「スティーブ・ジョブズがこんなニッポンの女性漫画誌で連載される!」的な記事がガーディアンで報道されってしまったこともありました。

確かに、話の流れは技術的開発やビジネスに焦点が当てられたものです。『ハツキス』で連載されている作品の殆どは女性向けのものですから、この雑誌で果たして毎号このジョブズの掲載を待ち構えていたり、読んでくれる女性読者っているのだろうかという疑問は未だに胸中にあります。読者からの反応や声的なものを伝えられたこともありません。

単行本も女性雑誌の帯ということで、カテゴリーは「女性用漫画」。書店でも、置かれるのは少女漫画の棚です。
これは担当編集者にも何度か相談したのですが、結局このビジネス漫画が男性の読む本のカテゴリーとして扱われるのには幾つものコンディションがあるらしく、執着するのは半ばで諦めてしまいました。

スティーブ・ジョブズの言葉や行動を抜粋したビジネスマン用の参考本や自己啓発本は沢山ありますが、この人の極端にボーダーレスな思想と行動力のレイヤーは決して人の役にたつことばかりで構成されているわけではありません。実はとても複雑で難解です。私は原作の中に描かれているジョブズという人間のそんな面倒臭さや厄介さ、そして内在している寂しさを引っ張り出す事に意識を注ぎました。


古代ローマやルネッサンスの話なら漫画家になる前から専門で学んで来た事ですし、話していて盛り上がれる人間が周りにもいるからいいのですが、ジョブズやアメリカのIT企業情勢は私にとっても疎い分野だったので、毎回、何もかもひとりっきりでやるのは試練といえるくらい辛く、「この自伝は私みたいなのではなく、ジョブズ好きの才能のある作家さんや編集者が手がけるべきだったんじゃないか」と、自分で引き受けたにもかかわらず、つい悔し涙が出そうになったことも何度かありました。
詳しい人が読む事も考慮して、毎回扱われる商品や機械、背景を調べるのにも莫大な時間が持っていかれてしまいます。幸い私を手伝ってくれている心強い作画助っ人達のお陰でなんとかなってきましたが、彼らがいなかったら私は間違いなく途中で挫けていたでしょう。

でも、そんな思いを抱きつつも、ジョブスという特異な人間を描く使命みたいなものだけを感じて、妄想ジョブズとのふたりきりの対話を軸に連載を続けてついに最終回。病気になってからのジョブズを描くのもまたいろいろ思うところがあって辛いのですが、とにかく最後まで頑張ります。

「原作に忠実に」が最初からの条件だったので、アイザックソンとは相容れない自分の私見や見解は盛り込めませんでしたが、それでもところどころは私の解釈でのジョブズを表現しています。

孤独への強い免疫、横柄で繊細。意地悪で寂しがりや。理詰めよりも情動。
いろんなことを破綻させておきながらそれを悔やみ、落ち込み、立ち直ってはまた自らも傷付くような言動を抑えられない衝動。

他の表現が間違っていても、そんなジョブズの自我と無我と経済社会の中で歪んだ性質だけは自分の感性を信じて直感で得たままを表現してきました。出る釘を打ってばかりいる風潮の強烈な日本みたいな社会では、とくにこういう人の存在が大きなヒントにもなるはずです。
(そういえば以前だれかがツイッターで「日本ではジョブズは生まれない。なぜなら、実は生まれていたのに皆潰されてしまったから」みたいなことを呟いていて妙に納得してしまいましたが)

ここまで来てもう望むものはないのですが、完結の暁にはどこかの書店で少女漫画の棚ではない場所に置かれることをしんみり祈るのみです。
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by dersuebeppi | 2017-05-10 00:59
更新されました:
ヤマザキマリの地球のどこかでハッスル日記
第123回『日本のメディアにおける外国人インタビュー吹替えの罠』
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テルマエ・ロマエ イタリア語吹替え版をご覧下さい↓:
『Thermae Romae (Italiano)』
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爺さんの声がイマイチである
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by dersuebeppi | 2017-05-09 19:08

瀬戸内の旅 まとめ

TOKYO FMで2017年1月から放送されている『NAGOMI Setouchi』(毎週土曜 18時30分~18時55分 JFN系列全国8局ネット)という番組の取材で5月の瀬戸内を旅してきました。

今回私が訪れたのは、瀬戸内国際芸術祭などで近年観光地としても注目を浴びている男木島、直島、そして女木島。詳細はまた番組の放送が間近になったときに改めて。同行したカメラマンさんが撮影した美しい写真も番組のサイトでアップされる予定です。

旅から戻ってきたばかりですが、慎ましさの中で育まれるハイレベルな文化的背景と、人々の温かさ、そして自然の美しさの虜になってしまったそれぞれの島の思い出写真をアップしておきます。


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1日目:男木島

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男木島では移住してきて間もない、大学では考古学を研究していたというダモンテさん夫妻(ご主人はイタリア系アメリカ人の血が流れる関西人、奥様は千葉出身)にお会いし、古民家を自力で立て替えたり、山で捕まえてきたイノシシ肉を加工したり、パンやグラノーラを手作り(食べましたが、これがウマ過ぎる)しながら、夜まで島民が集える飲食店作りにゆったり勤しむ暮らしをなんとなくリサーチ。世界中を夫婦で旅して、最終的になんとなく男木島に暮らす事を決めてしまったという流浪のライフスタイルも良い。
猫だらけの島としても有名な男木島ですが、車も走っていなければ、警察の駐在所もない、穏やか過ぎる生活環境に猫はみんな我が物顔。お金を使わなくても、無理に何かを生産しなくても人が十分幸せに生きていけるというフォーマットのような島でした。



2日目:直島 (この日は写真のカメラの電池が切れていたのでマネージャーKさんの撮影したもの)

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直島では地元の小学校を訪れて2時間授業(?)。その後は島を支える心強い若者たち(年齢は知らないけど皆見た目は全然若者!)と一緒に島の素敵なカフェ食堂"瀬戸のおうちseto.UCHI"にて絶品タコメシを頂き、その美味し過ぎるタコを提供してくれるという、キューバ人のような風情の猟師よっちゃんとお向かいの小島で寛ぎ、斬新過ぎる島の公共建造物直島ホールではこの島が舞台になったエッセイ漫画を出版したての漫画家まつざきしおりさんにもお会いしました。子供から爺さんまで、島の穏やかさと表現への活気性がシンクロした質感のある素晴らしい空気を体感。



3日目 女木島:

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最終日のこの女木島では、船から出て来た猫を追っていくと、歩いて5分ほどの民家に入っていきました。暫くすると玄関の扉が開き、そこへ出て来た島のお爺さん(上の写真)、集まっていた猫に餌をやっていたので飼い猫なのか聞いてみると「違う違う」とのこと。地域の人には野良猫に餌をやることをよく思っていない人もいるそうですが、「だって、好き勝手に生まれてきたわけでもないに、かわいそうだろう。魂は大事にしてあげんと」という一言が沁み入りました。
忙しい人間社会の中ではなかなかこんなことを思う人はいないかもしれません。

そんな内容がラジオでは聞けるはずです。


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by dersuebeppi | 2017-05-04 13:45

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