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名曲喫茶ウィーン つづき

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                       これが名曲喫茶

前回の投稿は内容のスケールの割りにかなり大げさな演出になってしまったので、ちょっと短縮型にして進行します。(あとで読み直してちょっと恥ずかしくなった)

考えてみたら、ここのバイトが私にとっての初バイトではなかったので、履歴書持って出かけていくときはかなりでかい態度だったことを記憶しています。
なんてったって高校在学中に、ディスコに行く資金を自分で稼ぐためにアルバイト情報誌で見つけた、私の人生の記念すべき初仕事が「チリ紙交換」ですからね。これ、ものすごく一日中頑張って稼いだ金額が500円。あの、恥を恥だと思い込むとにっちもさっちも行かぬ仕事を3日間やりのけた私の肝は、かなり頑強に鍛えられていたのだと思われます。
脱線しますが、このチリ紙交換(情報誌には別の名称で募集をかけてあったので、チリ紙交換だとはそこへ行くまで知らんかった)、同級生だった弁護士のご令嬢Sさんまで引き込んでやってたところが今思うと大変恐ろしいです。彼女は「お友達のところで勉強してきます」と行って家を空けていたらしいのだが、もし自分の娘が民家の扉を次から次へとノックして「古新聞古雑誌ありませんかー?」なんてことやってたなんて知れたら・・・・それでも量が少ないからって、酒屋やスーパーのダンボール置き場で要らないダンボールを折りたたんでトラックに投げ込んでたなんてことがバレたら・・・・ ふうう・・・ 今はどこで何をなさってるかしら、Sさん。そんな過去は遠い記憶のかなたに葬って、今頃きっとステキなマダムになってらっしゃることを祈ります。

さて、名曲喫茶ウィーン面接。
立ち会った店長は石立鉄男そっくりの、これまた17歳の小娘を前にして腰の低すぎる謙虚なお人でございました。
彼を始めに20年以上経った今もなお、鮮明に記憶に浮き出てくる当時のバイト達の面立ち。
ウィーンってのはいつからあの御茶ノ水にできたんだか知りませんが(おそらく戦後直後?)、バタ臭さ満開の洋風建築4.5階建て。まあフロアー自体そんなに広くないんで、2階づつ掛け持ちで全部で6~8人くらいのバイトがいたように記憶してます。

ぽっちゃり顔で巨乳、足のスラリとした屈託の無い笑顔が魅力的な日大生Kちゃん。
市川から通っていた、サーファーカットにでっかい花のイヤリング、ピンクの口紅がつややかだった小柄なMちゃん
そのMちゃんのお友達で、同じくサーファーカットなんだけど、声がピンクレディーのケイちゃんみたいに低くて色っぽかったSちゃん。
中学卒業後、進学せずにウィーンのボーイ業に携わっていた小岩の少年かっちゃん。
そのかっちゃんにいつもボディガードのよに寄り添う中央大学の学生(留年中)松田さん。ふたりは小岩の4畳半のアパートで仲良く一緒に暮らしていていましたっけ。
フロアー長と呼ばれていた、少年隊の錦織みたいな顔立ちの名前は忘れた男。
それからもう一人、これも光GENJIみたいな輩が一人。このジャニーズっぽい二人は俳優の卵だったらしく、いつも映画やドラマのエキストラで出演しただの、オーディションがどうだのという話を誇らしげにしていてました。
洗い場では芸大を卒業したYさんと、元ボクサー(左の耳が半分しかない)のRさん。
レコード室ではリクエストの紙からレコードを選曲する知的なHさん、彼女はYさんと同棲してました。
で、あとはこの名曲喫茶ウィーンのオーナである韓国人の老年夫婦。滅多に現れませんでしたが、たまに来るとその場が急に緊張感に包まれこんだものでした。

あと特徴として、常連客の一人が俵孝太郎。(毎度彼が現れる度に誰が受け持つか、じゃんけんで決めた)

あそこにいた人物だけ書き上げたら、なんだか壮大な長編小説でも一本書けそうな気分になってきました・・・いや、実際凄かったんですよ、この中の恋愛妬みの交差図が・・・いろいろとね。なんであんなに全ての人たちがドラマティックだったんだろうっていうくらい、事件や話題がつきなかったですね。ほんとに凄かった。

漫画のネタになりそうだな。
by dersuebeppi | 2006-10-23 03:20

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