私の漫画について その1

私が漫画を描くようになった経緯です。

私はかつてフィレンツェのアカデミアという美術学校で油絵を専攻しておりました。
ですが、オリジナルな作品よりも数多く手がけたのは模写。
そしてその模写をやり続けていくうちに実物に使われたのと同じ顔料を摘出したくなり、やがて興味の方向は美術史へ転換。そしてそれに便乗して古い絵の修復。
アルバイトとしては、故人の肖像描きなんてのもやりました。
亡くなってホヤホヤのじい様の顔を描かせられたこともありましたっけ。

しかし、そのどれをとっても安定した収入源にははらず、アパートの電気は切られ、ガスも止められ、アンデルセンのお話にでも出てきそうな過酷でひもじい日々が続くようになりました。
そんな私に見かねたアカデミア時代の友人(ハイグレードなオタク)に薦められ、漫画を描くようになったのでした。

漫画、そういえばむかしキャンディキャンディとか読んでたよなあ・・・と少女時代の漫画の熱意を思い起こし、いろいろ描いてみることにしました。とはいえ、私にとってその当時漫画を描くのに参考できた唯一の作家が「つげ義春」(唯一持っていた漫画本)。しかも投稿作品は新聞紙にくるんで発送。
投稿先は今はもうありませんが講談社から発行されていた「Mimi」という少女漫画。
「なんだ、これ」というのが、初めて私の作品を目にした当時の担当のご感想だったようです。

そしてデビューして数年後に単行本(内館牧子原作)「有名人」を出していただきました。
画家が主人公の原作なので、私にやってみないかということになったみたいです。

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原作を読んだ時は、想像を絶するストーリー展開に腰が抜けそうになりました。これを漫画にせよと!? という思いを必死で抑制して描きつづけた作品です。ちなみに主人公は有名作家で、だけど売れなくなってレズになってアル中になって、最後に復帰します。
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by dersuebeppi | 2006-09-21 23:01

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