プリニウス一巻刊行:震災国で生きた博物学者と激動の古代ローマ世界

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昨年とり・みきさんとの共作で連載を始めた「プリニウス」が本日7月9日にいよいよ一巻刊行となりました。
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古代ローマと日本には様々な共通点があり、前作の「テルマエ・ロマエ」ではその一つである「浴場文化」をテーマに比較文化をコメディ仕様で展開しましたが、実はその時から「まだまだ日本人なら他国人より理解できるローマ世界がある…それを思う存分表現したい」という思いがつのっていました。

今回プリニウスという世紀の博物学者を要に、この作品の中で取り上げたかった日本と古代ローマの共通のテーマはずばり「震災の国」です。

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地震、津波、そして火山の噴火という天災が頻繁に繰り返される南北に細長い国土で、毎回ダメージに屈する事なく再生に立ち上がってきた古代からのイタリア半島の住民達。そんな人間の力では成す術もない不可抗力な現象が絶え間なく生じる世界の中で、地球という未知の惑星への絶え間ない探究心で充ち満ちていた男プリニウス。ベスビオ火山の噴火に巻き込まれて人生を終えることとなった博物学者の、妥協の無いダイナミックで繊細な視点は「博物誌」となって後世に残されました。

もしこの「博物誌」の中で記録されている、突飛も無いのに、妙に親近感を覚える世界感を漫画にしてみたら…… 
そう思い立った私は、ベテランの大先輩であり、テルマエでも背景をお手伝いいただいた友人の作家とり・みきさんに「一緒にやりませんか」と声をお掛けしてみたのです。原作者と漫画家、という振り分けではなく、完全に共著というスタイルでの創作も私に取っては新しい試みでしたが、これがやってみるとたまらなく面白い!

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その辺りの詳細は、こちらのプリニウス公式サイトでの対談で詳しくお読み頂けます。

まずは一巻を手に取って頂いて、私ととりさんがイメージするプリニウスの人となり、そしてプリニウスが生きた時代の古代ローマ世界をじっくりお楽しみ下さい。
そしてこの本を通じて、古代ローマの人間達が天災とどう向き合っていたのか、森羅万象をどう受け入れていたのかに興味を持って頂ければ嬉しいです。

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by dersuebeppi | 2014-07-09 01:16

漫画家ヤマザキマリのブログ。HP) http://yamazakimari.com


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