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ルッカで谷口先生を通じて25年ぶりの出会い

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ところで、このルッカ・コミックフェスティバルのメインゲストのお一人である谷口ジロー先生。
来年の春に私のテルマエ・ロマエがフランスでも出版されるのですが、その版元はジロー先生の本も出しているところで、パリからやってきていたその担当者、私との打ち合わせが終わるなり「あなたに是非谷口先生紹介するわよ!!」と私を先生のサイン会場へ引っ張っていきました。
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フランスはもとより、イタリアでも大人気の谷口ジロー先生のサイン会場は人がごった返してイモ洗い状態。そこをかき分けて無理矢理サインスタンドに近づいて行くフランス人編集者。
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「あ、あの、今はちょっとご遠慮したほうが!」なんて私の日本人らしい気遣いは却下され、私はサインに忙しい谷口先生の前へ引っ張り出されました。
(実を言うと、もしかしたら・・・と思って愛読している谷口先生の「坊っちゃんの時代」をシカゴから持参してきており、そこにサインをしてもらいたいとう魂胆を胸に秘めていたのですが、この時は持ち合わせておらず、それもあってか緊張と焦りで表情が歪みっぱなし)

すると谷口先生、いきなり「あ、ヤマザキさん?! 佐藤さんがね、さっきヤマザキさんを探してて・・・」と仰る。「佐藤さんどこ!?佐藤さん!」とサインも途中でストップしてしまった谷口先生。
佐藤さん?? と首を傾げるも、いや、もしかしたら先生の関係のどなかたかが私に用事があって・・・と自分なりの解釈で納得。
「おかしいなあ、佐藤さんどこ行ったんだろう」としきりに谷口先生、行方をくらました佐藤さんを気遣っていらっしゃいますが、取り合えずその夜の授賞式という式典で再び谷口先生とはお会いすることになっているので、その場から私は立ち退くことにいたしました。

その直後のことです。
私のテルマエに関するトークセッション会場で、一組の日本人夫婦が私を見つめてニヤニヤしているのに気が付きました。 
良く見ると知っている顔。
「あーーーっ!!」と数秒間をおいてから大声で叫ぶ私。「佐藤さん!!」

そのふたりは、今から25年前、私がフィレンツェでド貧乏学生をしていた頃にアエロフロートで席が隣になった佐藤さん夫妻ではないですか!
なんと約25年ぶりの再会。

某出版社に勤務していた佐藤さんはその時、イタリアにホテルのガイドブック本か何かを作りに行く途中で、私はなんと当時暮らしていたフィレンツェのボロ屋にカメラマンさんも含むこの3名をお呼びして、大変ショボいご飯を御馳走したのでありました・・・
私はその後この佐藤さんの奥様からイタリアの小さなコラムを執筆する仕事などを頂いたり、日本に帰国した際にも一緒にご飯を食べたり等の交流があったのですが、どこかでそれがぷっつりと途絶えてしまい。

「でも待って、なんで谷口ジロー先生が佐藤さんを知っているの!?」と不思議がると、
「だってずっと谷口さんの担当やっていたんだもの」と佐藤さん。「ちょどあなたと知り合ったあの頃・・・いやあの直前まで坊っちゃんの時代を・・・」
「ええええ~!?」
「でもあなた、あの時全く漫画なんかに興味持ってなかったじゃないですか!」と佐藤さん。
そ、そうだけど・・・そうなんだけど・・・

その後授賞式でシカゴから密かな期待を胸に抱きつつ持って来た「坊っちゃんの時代」に谷口先生からご丁寧にサインを頂いて満足し、このルッカにおける奇妙な偶然の出会いをみんなで面白がり、また東京で一緒にゆっくりお会いしましょうよと約束。
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(授賞式。顔のぶれている私のとなりは坂本真一先生・・・舞台裏で3人で風呂話。坂本先生はお子様3人の後にお風呂に入るのでお湯が何時も足りなくて、だけどそこに無理矢理浸かるんだとおっしゃってました。なんか微笑ましいです。そして舞台右側にいらっしゃるのが谷口先生)

ほんと、色んな意味でルッカには来るべきだったのだと痛感。
一度会って別れた人でも再び会う人には必ずどこかでまた出会う。
そういう必然性を感じてなりません。
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by dersuebeppi | 2011-11-07 23:00