続き

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何やらここ数日、このブログを訪れて下さっている方の数が凄く多いので、整理されてない頭の中がダダ漏れの文ですけど更新しときます。
伴侶に自分の仕事を理解してもらい難い問題ってのは結構普遍的なものなんですね。

とりあえず私の場合は旦那がラテンだからとか、時間に規則正しい人だからだとかいろいろ思いつく理由を挙げてはみましたけど、国籍云々はそれほど重要な意味は持っていなさそうだということがコメントを拝読しているうちに感じられてきました。

旦那の通うシカゴ大学は米国でも屈指の勤勉大学で、勉強や研究の止まらない人の為に図書館なんて24時間使えるような状態、学生も先生もアンドロイドのように学業に没頭しているそんな環境の中でもうちの旦那は「オマエのせいで俺たちが怠けているみたいに見える!」と周りに言わせるほどガリ勉です。なんで家に帰ってきたら大いに息抜きしたいと思っているのに、そこで私が凄まじい形相で仕事をしている。
「何だか俺って怠け者!?」と彼は冗談半分な顔で言いますけど、まあ、私も同じ立場だったら「え~勘弁してよ・・・」ってなるとは思いますわ。
でも仕事の内容も形式もいろいろと違うのだから比べる事はナンセンスだって幾度となく伝えてはいますけどもね。

考えてみたら彼のお父さんという人が、自宅の地下に仕事場を構えてそこに一日中こもって仕事をしているエンジニアなんですが、未だに大好きな仕事だからついつい他の事を忘れて丸一日家族に顔も見せずに工房にこもっていたりしてしまうわけです。
下手したらそこで数日間こもりっきりも平気なわけです。
そんな夫にキレるのは妻です。
「あなたたちのお父さん、まるで働き過ぎの日本人だわ!」と彼女はおそらくイタリアのドキュメンタリー番組か何かで植えつけられた過労死もありの日本人の労働者に対する偏見的セリフをいつも子供たちに繰り返しながら、「ママさびしいよ!」と涙していたそうです。

要因はいろいろとあります。
でも彼は私にも「頼むからうちのオヤジみたいにならんでくれ」というような事を頻繁に言いますし、もしかするとその辺りのことが彼の中でいちばん引っかかているのかもしれません。

自分はどんなに何かをする事が大好きで時間を忘れるほど没頭したくても、家族の存在を忘れるほどになっていはいけないんだ!!って小さい時から胸にがっしり刻み込んできたのかもしれません。

だけど私は今の自分の現状について、やりたい仕事をしたくてもなかなか出来なかった自分の決して短くはない過去を思うと、やはり今は天が与えてくれたチャンスなんだと思ってしまうわけですよ。
しかも40代も半ばに差し掛かってるし、あと10年くらいはまだ体力も精神力もあるだろうからそれまでは行けるところまで行かせてもらいたいと。
その姿勢を頑固に変えずにいれば旦那もだんだん「そういうものなのか」と理解してくれるんだろうとは思っていますが。

でも考えてみたら、この世界の中でパートナーや家族がお互いの職業を心底から良く理解し合って思いやり合えるケースなんてのは結構稀有なのかもしれませんね。

じゃあ同業者同士だったらいいのかっていうと、それはそれでいろいろ有る例をごっそり見てきてもいるし・・・

つい先日も友人の伊国籍研究者男子と仏国籍教授職女子のカップルが崩壊してしまいました。彼は今年学位を取って卒業なのに就職口が無く、反面3歳若い彼女はもう卒業もして大学の先生にもなり哲学者として名も知られて将来も補償されているわけです。凄く温厚で口数の少ない静かな女性だったんですけど、彼の方がついシニカルになってしまう。そんな状況が長く続き、やがて彼女の方から「もう無理」と言われたんだそうで・・・その伊男子の落ち込み用と言ったら・・・
夫も一緒になって物凄く塞いでました。
難しいもんですね。

そんな中、最近うちの息子が旦那にとあるゲームを献上したのですが(車好きの彼にグランツーリスモ5)、なにやらそれからというもの、実は彼はあまり私の仕事に対しても口出ししなくなり、極めて穏やかになってきているのです。
「君が牛馬のように仕事している時にこんなこと出来ないよ・・・」と最初は躊躇してたんですが
「いや、あんたがリラックスしてくれていると思うと、私もリラックスできるから」
と答えると「ほんとに!?」と幼稚園児のように嬉しそうな顔。

何事もリラックスしないとだめですよ。いっぱいいっぱいでお互いの理解なんか所詮無理だよなと痛感した次第。
ナイス息子!
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by dersuebeppi | 2011-01-26 00:10

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