乙女ルシウス

知り合いの親切なご婦人が毎月「ゲゲゲの女房」の録画DVDを送って下さいます。
(私は基本テレビを見ない人間なもんですから)

そしてそれを欠かさず見ている実家の母から「・・・何だかあんたの事と重なるのよ・・・」と感慨深い電話がかかってきたりすることがあります。
水木大先生と私を比較するなんて恐れ多い事を言う母だと思っていました。水木先生と言えば私の中ではド貧乏イタリア留学時代の心の支え・・・・「かっぱの三平」なんて今持っているのでもう4代目だし。貧乏な時に貧乏だった日本の描写のあるものを漫画でも書物でもむさぼるように読みこんでいた私にはかけがえのない作家さんの一人。比べるなんてとんでもない!
でも・・・確かに彼の貸本マンガ時代の貧乏生活なんかは物凄く共感できることだらけです。
(ちなみに書物部門で私を支えていたのは安部公房と開高健でした)


暮らしていたフィレンツェには Monte dei Pegniという質屋銀行(しかも創立が15世紀とかそんなだったような記憶が)があるのですが、私は自分の持っている金目になりそうなもの全てここに持ち込まざるを得ない日々を過ごしておりました。取り戻せたものもちょっとはありますが、ほとんど流れてます。
電気水道ガスも全部切られた時期もありましたが、あの時は冬だったこともあり、屋根のある家にいても実にホームレスな気持ちにさせてもらいましたっけ。
時は1990年代初頭。日本はバブルがはじけるちょっと前。街に行けばブランドショップを目指すW浅野(私の年代以上の人にしかわからんか)みたいな人たちが楽しげに歩いている、そんな時代でした。

水木先生もでっかい貧乏経験を経て、43歳で賞を受賞された直後からの山のような仕事の依頼をつい断らずに全て引き受けてしまっている、今の自分がまさにあの状態だなと。でっかい貧乏で広げられた仕事受け入れ窓口の広さ加減が似ています。
43歳で賞を頂いたのも同じですけど、忙しくなり過ぎたせいで妻と険悪になる展開も実に同じです。
先生のようにとんでもない戦争経験もなければ腕も両方あるんで比べるなんて本当に恐れ多いんですけど・・・

でもですね、やっぱり自分はお金にならんでも結局絵はどっかで描いている人間だと思うんで、やはりとてつもなく嬉しいのですよ、漫画でじゃんじゃんお仕事ができるってのは。しみじみありがたい。油絵ではどうにかしたくてもどうしようもなかっただけに、どんなに忙しくても今の自分の立場の有難さっていったらありません。

で、やっと本題。
9月1日に発売される二つの雑誌。
別冊マーガレットSister。
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椎名軽穂さんの「君に届け」トリビュート描かせて頂いております。

それから小学館の「PS」。
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「テルマエ・ロマエの温泉案内」ということで、ルシウスが日本各地の温泉をご案内しているようでございます。

乙女な雑誌2冊。
どちらにもごっついルシウスが登場しています。
こういう多元的コントラストもなかなか悪くないですね・・・

ルシウスにも私と一緒に頑張って働いてもらいましょう。
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by dersuebeppi | 2010-08-31 22:12

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